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アル・ゴア環境問題取組みへの欺瞞性

不都合な真実」で今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門でオスカーを獲得した、アル・ゴア前米国副大統領が、自らは大変な電力やガスを消費していると批判された。
昨年、テネシー州ナッシュビルの豪邸で使用した電気料金が、一般家庭の二十倍にもあたるらしい。

僕は、昨年訪米した時、アル・ゴアが住んでいる地域を通った事がある。
日本では考えられないほどの広さと豪華さで、さすがにアメリカの金持ちはスケールが違うと驚いた。
あの広さの家を維持するには、かなりの資源を必要とするに違いない。
見事に刈り込んだ芝生の手入れだって、とても人力で出来るはずがない。

僕は、言行不一致の人間に対しては、比較的寛容の積りでいた。
誰にも本音と建前があり、必ずしも奇麗事だけでは生きていけないことも分かっている。
しかし、このアル・ゴアはマズイ。
彼は、声を大にして地球温暖化のリスクを主張してきた世界のリーダーであり、自らが資源節約を率先垂範すべき立場の人である。
また、彼が全世界で啓蒙活動を繰り返した事で、温暖化は地球を滅ぼすような雰囲気が漂っており、今年の異常気象とあいまって人々の不安感が高まってきた。
今年のアカデミー賞は、このような活動への賞賛の結果だろう。

しかし、地球温暖化防止のための省資源を唱えるなら、豪邸を構えては自己矛盾となる。
インドの路上生活者は、自分が寝る空間以外は全く資源を無駄使いしていない。
一方、一旦家を構えると、電力、水等の天然資源だけでなく、空間すら必要以上を占有してしまう。
ましてや、ナッシュビルの大金持ち達は、わずか数人の家族のために果てが見えないほどの空間を私有物として独占している。
アル・ゴア地球温暖化を本当に防ぎたいのなら、アカデミー賞の賞金を自分の運動に寄付するだけではなく、「先ず隗より始めよ」で、自らがインドの路上生活者のような無駄使いのない生活を選ぶべきだろう。
でなければ、偽善者と見られ、せっかくの運動の説得力を失う事になる。

あんな大豪邸を見れば、ひがみ根性丸出しでアル・ゴアを批判したくなってしまう。