昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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人類破滅への序章

我が家には息子が二人いるが、これが揃いも揃って結婚しない。
既に疾うに齢30を超えているので、周囲に世話焼きがいて見合い話がないわけではないようだが、本人たちには結婚願望があるとは見えない。
僕は、結婚なんて当事者の合意によってのみ成立するものと思っているので、我が子とは言え結婚をせかしたり、果ては「孫の顔が見てみたい」などの俗っぽい期待もない。
それよりも、息子の時代までは何とかなっても、その後の孫の代や、ひ孫の時代まで日本国家が存在するのか、もっと大袈裟に見れば、地球そのものが残っているのかをすら懸念している。
既に地球には、その許容量を超える人間が住んでいるのではないだろうかとの疑問だ。
そして人間こそが、地球にとって最悪の天敵なのではないかと、常日頃から不安に思ってきた。

我々人類は、地球の資源を掘り出し、加工し、より過ごしやすい生活環境を作り上げてきた。
僕が生きてきた数十年の単位でも、明らかに生活は良くなっている。
但しそのためには、地球に対して様々な負担や犠牲を強いてきている。
一番分かりやすい例は、石油資源だろう。
石油消費量は、年々増え続けている。
石油埋蔵量は30年と言われて久しいが、不思議と何年たっても石油は掘り続けられている。
この間の掘削技術の進歩で、最近ではアメリカのシェールガスまで実用化されてきたので、更に数十年は石油依存の生活が出来るだろう。
しかし所詮は天然資源なので、間違いなくいずれかは枯渇する。
そして石油がなくなった後の我々の生活が、想像できない。
別段石油だけでなく、今話題になっている原発用燃料のウランは、石油よりも早く枯渇すると言われているし、鉄鉱石だってアルミ用のボーキサイトだって、今の人類の消費スピードでは、全部数十年でなくなってしまうだろう。
天然資源が再生できたとしても、それは枯渇までの時間が少し長引くだけで、人類が今後何十万年も生き延びるために必要なほどの埋蔵量は絶対にない。

電力は太陽電池風力発電で補えても、肝心の石油や石炭がなければ、電気だけ在っても仕方がない。
それ以上にもっと深刻なのは食糧と水で、これは現在でも60億人以上いる世界中の人類が生きていくためには既に不足している。
罰当たりに日本では飽食の時代が謳歌されているが、世界中には飢餓に苦しんでいる人たちが多数存在している。
これが人口100億を超えたら、食料を求めて戦争すらおきかねない。
従来人類は、基本的に食を求めて戦争してきた。
領土争いも、究極は食糧確保のためだ。
しかも地球上で食糧を生産供給できる場所は限りがあるし、その食料で養える人口にもまた限りがある。
飢えた外国人が日本に押し寄せたら、平和ボケした日本人は一溜まりもなく全滅するだろう。

こんな大上段の話でなくても、我々の生活でも社会矛盾は数限りなく表面化している。
インフレ、デフレ議論のその一つだ。
人を雇用し、養う企業活動を永続的に維持するためには、常に売上げを増やさないといけない。
新入社員を確保し、設備投資を実施し、規模を拡大しなければ、競合他社に負けてしまう。
企業にとって縮小経営はありえない。
そのためには、顧客に魅力的な新製品投入を続けて常に売上げを増やすか、あるいは製品値上げしか方法がない。
前者は言うは易しいが、ソニーやシャープの凋落から分かるように実際は大変難しいし、後者はインフレになってしまう。
即ち企業にとって、手っ取り早い生残り策はインフレであり、それは企業生命維持には必要不可欠な政策なのだ。
今のデフレは企業にとっては大変な逆風なので、自民党の安倍総裁は「大胆なインフレターゲット」を叫び、票を集めようとしている。

一方、今後どんどん増え続ける年金生活者にとっては、インフレよりもデフレがありがたい。
今まで会社生活をしていた人は、それまでは本人は自覚していなくても、インフレ待望論だったはずだが、会社を辞めた途端、物価が下がったほうが暮らしやすくなる。
現役労働者が多数の場合はあまり問題にならないが、そのうちに老人大国になると、今度は「デフレにします」と言った方が、人気が出てくる。
馬鹿みたいな話だが、ほんの20年前までは、この地日本でも「ストップ・ザ・インフレ」が目標だったほどだ。
それが現実になると、今度は日本銀行の政策が非難され、実しやかに「脱デフレ」の公約が並ぶ。
インフレかデフレかみたいな問題にも解答がない。
その他にも、人間の浅知恵では解決不可能な問題は山積みだし、況や地球規模での生き残りみたいな大問題に解がないのは当たり前だ。
そんな住みにくい社会に長生きしていると、ろくなことはない。

僕がいくら長生きしても後三十年なので、そこまではまだ何とか暮らしていけるだろうが、息子はともかくも孫の代は危ない。
だから敢えて、息子たちが結婚なんかしなくていい。
我が家一族はそっと地球上から消え去った方が、これ以上嫌なものを見なくてすみそうだ。