昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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親友が死んだ

5月に親友が死んだ。
病名は肝臓癌なのだろうが、腹水だけでなく胸水までたまるという、極めて珍しい症状だったらしい。
入院期間はわずか二カ月だが、かなり前からの持病が悪化したとの事。
奥さんが、僕に入院を知らせなくていいかと聞いた所、「アイツは忙しいから、迷惑をかける」と遠慮したらしい。
本人も家族もまさか死に至る入院とは思っていなかったようだ。

僕は、この訃報を6月中旬出張先のメキシコで、時差に苦しんでいた現地時間午前1時頃、留守電を聞いて知った。
あまりに突然であり、しばらくは心の整理ができなかった。

奥さんは気を強くもって毎日看病していたらしいが、症状はどんどん悪化、ついに正視できなくなり泣き出した所、苦しい呼吸を助けていたマスクを外し、「あなたに感謝している」と最後に言い残し、死出の道を旅立ったらしい。

彼とは、高校一年の時、同じクラスでたまたま席が隣同士になって知り合った。
成績の面ではそこそこにライバルだったが、何より、すべてに前向きで騒がしかった僕と、やや内気でシャイだった彼は、性格がほとんど似たところがない割には気があった。

就職した後も、たまに会い酒を飲んだりしていたが、数年前のある時、「癌検査で陽性反応が出たので定期的に医者の診察を受けている。心配ないが、酒を控えないといけない」と言い出した。
事の重大さを理解できていなかったため、「心配するな。癌細胞だってお前さんみたいに付き合いたくない奴の所なんて長居はしないよ」と、およそ非科学的に励ましていたが、まさかこの年で死ぬなんて。
孫が出来、おじいちゃんになり、楽しい老後が待っていただろうに、運命の冷酷さを呪うばかりだ。

僕も、いつ何が起きても不思議ではない年齢に差し掛かってきた。
死んだら、親友を訪ねたい気持だ。
合掌!