ミート社の食肉偽装問題は、取引先の北海道加ト吉工場長による廃棄コロッケ横流しまで発覚し、どんどん深みに嵌ってきた。
元々は、ミート社田中稔社長が、安い豚肉、鶏肉を混ぜたものを牛肉１００％と称して販売した事が、不正競争防止法違反として捜査されているものだが、今や「食の安全」を揺るがせた事件として扱われている。
田中社長は、当初「自分は知らない、工場長が勝手にやった」とか責任転嫁していたが、息子から「本当の事を言って」と諭され、ついに「自分が指示した」と認めた。
しかし、その後も「業界全体が悪い。消費者も安いものばかり求めるから」と開き直っている。
田中社長はいかにも狡すっからそうな金もうけ第一主義者に見えてしまい、誠実さがまったく感じられない顔つきであり、今や、日本中を敵に回している。
どう見ても応援団などでてきそうにない。
そこで、田中社長の現在の心中を推し量って、独り言としてまとめてみた。
･････チェッ、今回はえらい目に逢ってしまったもんだ。
加ト吉や顧客が､無茶苦茶な値下げ要求をするものだから､コストダウンの為にやったら大儲け出来たのに、まさか内部から告発されるのは考えていなかったなぁぁ。
しかし、「食の安全」って文句言われているが、別に健康を害したり、体に毒のものを作って売ったわけじゃないのに。
牛肉１００％と嘘をついたのが失敗だった。
いっそ、「牛肉の味を最高にする為に独自研究の結果、他の肉をブレンドする処方を発見した」と説明すればよかったのかなぁ。
だって、内部告発で調査されなかったら、皆「うまい、うまい」と食べていたじゃないか｡
結構、うちの牛肉コロッケは評判良かったのに。
息子も息子だ。
あんな記者会見の場面で、「社長、本当のことを言って」と自分だけが良い子になるなんて。
あれで、すっかり嘘つきがばれてしまったじゃないか。
もう会社も駄目、せっかく金儲けに成功していた俺の人生も終わったなぁ。
ドジ踏んじまったもんだ、チキショ～･････
事件がばれた時、田中社長が「研究に研究を重ねた結果、一番おいしい牛肉の味を追求した結果が、豚肉と鶏肉を混ぜる処方である事がわかりました。牛肉１００％の表示は間違いでした。ごめんなさい」と開き直って説明していたら、世間の評判はどうなっていただろう？
あの胡散臭い顔だと、何を言っても信用されないかな？
