ニセ物、パッチ物が花盛り

通勤電車で、僕の前に品のないオバはんが、着飾って立っていた。
着ている服は、セリーヌのシャツで、例のセリーヌマークが至る所に書いてある。
しかしよく見ると、ロゴが「CELINU」となっている。
正確には「CELINE」のはずだけどなぁと思いながら見ていた。

町にはニセ物が氾濫している。
ルイジビトンなど可愛いもので、一見すると見分けにくいほど似せているが増えている。

アメリカで大躍進中の現代自動車のマークは、「H」が斜字となったものだが、最近はだんだん立ち上がって、ホンダマークに似てきたと言われている。
また、テレビ広告でも「ヒュンダイ!」のセリフが、だんだん「ホンダイ」に聞こえてきたとも言われている。

ある友人とゴルフをしたら、まったく同じキャロウェイブランドのドライバーを四本、キャディバッグに刺していた。
よく見ると、ロフト角度が少しずつ違う。
どの角度が自分に合っているか分からないので、四本買い込んだとの事。
「ずいぶんと贅沢だな!」と冷やかしたら、「全部本物だけど、中国で買った。一本5千円」と説明してくれた。
キャロウェイの正規品なら一本8万円ほどの品物だ。「ホナ、アホな」と言い返したが、彼は「絶対に本物」と主張する。
何でも、キャロウェイから委託生産している工場が作ってくれた物らしい。
ヘッドといい、シャフトといい、果てはヘッドカバーといい、確かに本物と区別がつかないほど似ている。
しかし、キャロウェイのドライバーが5千円でできるはずがなく、これは中国流の偽物の売り方。
分かっていても騙されて買ってしまう。

ホンダの職人は、「ホンダは、中国やインドや世界中で、ニセ物を作られた。しかし、ニセ物を買った人は、どこかで後ろめたさを感じているので、絶対に満足感を得る事は出来ない」と断言していた。