昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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マチキン萬田銀次郎の受難!

難波金融伝・ミナミの帝王萬田銀次郎も真っ青になるような裁判判決が出た。
マチキンからカネを借りた場合、なんと元金まで返す必要がないとの事。
何でも、マチキンの場合貸付事態が犯罪行為を前提にしているかららしい。

僕にはどうにも腑に落ちない。
いくら金利の設定や取り立てが犯罪的でも、借りた方だって分かった上での取引だったはずだ。
もしもこの判例が定着した場合、マチキンの事業は絶対に成り立たない。
不当な金利分だけでなく元金までが返ってこないとなれば、カネを恵んでやった事になるからだ。
全てのマチキンは廃業せざるを得ないはずだ。

しかし、世の中にはマチキンからの融資で助かった人もたくさんいる。
テレビでコマーシャルをやっている消費者金融の各社は、「返済は計画的に」とか注意を促しながら、銀行をはるかに上回る金利で貸し付けながら金儲けをしている。
そんな所からですら資金手当てが出来なくなってしまった人達は、已むに已まれずマチキンからカネを借りる事になる。

難波金融伝の映画を見ていても、金策に万策尽きた人達がトイチ金利と分かりながら主人公の萬田銀次郎の所で金を借りている。
映画の場合、人情に厚い萬田銀次郎の知恵と度胸のおかげで、カネに困っていた善人達は必ず最後はハッピーエンドになっている。
こんな善意のマチキン業者がたくさん存在するとは考えにくいが、それでも貸した元金すら取り戻せず、行き詰まって廃業してしまえば、このような人達もまた短期的資金ショートで行き詰ってしまう。
現実は奇麗事の世界ではない。
先々の返済が厳しい事が分かっていても、マチキンを利用する人達が間違いなく存在している。

今回の判決は、世間には「マチキンの違法性が暴かれた」として、大変好意的に受け止められている。
金貸し業は、シェークスピアの頃から「ベニスの商人」として嫌われている。
しかし、相手がどんな嫌われ者であろうと、本来借りた金を返さなくていいはずがない。
やはり、今回の判決は世間の現実から乖離した、ウケ狙いのポピュリズムではなのではないだろうか。