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星野仙一バッシングと、微妙な日韓関係

オリンピックで、星野仙一監督率いる日本代表が韓国に二度にわたって惨敗したにも拘らず、WBC監督への就任が云々された事に対して、無政府状態のネット社会には、関係者の出自と敗因を強引に結びつけたような中傷記事が多かった。
星野仙一の誹謗中傷が、韓国への嫌悪感を煽り立てるのは大変不幸な事だ。

日経新聞の隠れた名物コーナー「私の履歴書」、成田豊電通最高顧問の自伝をよくよく読むと、典型的鬼軍曹で且つ、かなり出世欲と自己顕示欲の激しい御仁のようで、絶対に一緒に仕事をしたくないエライさんタイプだと見受けたが、彼の多々ある自慢話の一つに、電通が日韓ワールドカップ共催の橋渡しをした事を上げていた。
その中に、「日本が負けた後、サポーターが自然に韓国を応援していた事が嬉しかった」と書いていた。
事実なら日韓共同開催の成果の一つともいえるし、成田氏がそう書くからには、そのようなシーンを実際に見たのだろう。
しかし、成田氏が喜んだ日韓の関係良化等どこ吹く風のように、現実のネット社会では韓国への敵意に満ちた書き込みが五万と存在する。
また韓国への罵詈雑言に満ちた意見をブログに載せている人達も多い。

なぜ日韓関係は微妙なのだろう。
日韓両国政府が、根深い対立感情を解消する必死の努力をした気配はない。

韓国側には、日本に占領された忌まわしい過去がある。
両国の主張は平行線のままの、強制連行、従軍慰安婦竹島、教科書記述など、日韓関係を悪化させるような問題は山積している。
日本は第二次世界大戦の敗戦国にも拘わらずいち早く奇跡的な経済復興を遂げたのも、朝鮮戦争特需のお陰だとの複雑な思いから、韓国が日本を忌み嫌うのは分かるような気がする。

しかし、日本側が韓国に嫌悪感を持つのは一体何故なのだろう。
日本では戦前に、最も優れた日本民族がアジアを啓蒙するような歴史観を植え付け、韓国や中国を蔑視したり、また苦役を強いたり見下していた時代もある。
正直に告白すると、僕自身幼い頃に意味も分からず朝鮮人を小馬鹿にした囃し歌を歌っていた記憶がある。
そんな韓国や中国が、日本に遅ればせながら経済発展に成功、GDPも大きく躍進、国際大会での金メダル獲得も日本をはるかに凌駕してきた事への複雑な恐怖感もあるだろう。

実際に韓国人の自己主張の激しさを目の当たりにすれば、普通の日本人としては腰を引いてしまうし、逆に日本人が知らず知らずに韓国人の神経を逆なでしている事もあるに違いない。
日本と韓国は、結局のところ相手を嫌いあいながら対抗意識を高めあってきた。
日韓両国は微妙な同盟国でありながら、明確なライバルでもある。
今回の北京オリンピックで中国人観客のほとんどは、日本と対戦する国を熱烈に応援していた。
おそらく韓国人も同じようにアンチ日本だろうし、逆に日本人の多くも、無意識のうちに韓国や中国と対戦する国を応援する傾向が強い。
僕も含めて、韓国が金メダル、星野ジャパン惨敗の結果を日本人の多くは素直に受け入れられない。

日韓関係は依然として微妙だ。
成田氏が喜んだエピソードは、未だ極めて一部の例外的な話でしかないのが実態だろう。