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ロス疑惑の容疑者、三浦和義の自殺

ロス疑惑銃撃事件でロサンゼルスに移送、拘置されていた三浦和義元が首をつって自殺をした。

三浦和義は、1984年週刊文春が火をつけた「ロス疑惑騒動」で一躍有名人になった。
それまでの美談が一転、殺人犯と指摘されたのだから、彼の一挙手一投足に日本中が注目する騒ぎとなった。
次々とスキャンダルが暴きだされ、当時夫婦だった女性とスワッピングパーティーに参加した時の裸の姿さえ写真誌に搭載された。
僕も当時は、週刊文春を毎週熟読し、すっかり事件の評論家と化していたし、彼の書いた「マイフルハムストーリー」も購入した。
三浦和義は、むしろその大騒ぎを楽しむかの如くに振舞い、テレビに出ては芝居っ気たっぷりに涙声で愛妻への思いを打ち明け、益々好奇の目に晒され続けても超然としていた。
最近でも万引き事件を引き起こしたが、訳の分からない理屈を捏ねまわし起訴猶予処分になっていた。
少々のバッシングなど屁でもないそんな神経が図太いはずの彼が、自ら死を選んだ背景は一体何なのだろう。

サイパンで彼が逮捕された時は、「ロス市警の執念」とか、「アメリカには時効がない。悪事を働いた犯人は必ず逮捕される」とか、警察側を誉めるような意見が多かった。
しかし、そんな執念で逮捕した重要容疑者が簡単に自殺してしまうとは、ロス市警の警備もお粗末極まりない。
こんな警察が、本当に彼の犯罪を暴くことが出来たのだろうか?

一方、自殺した側の三浦和義の心境はどうだったのだろう。
弁護士によると、サイパンでは裁判で勝つ積りだったと聞くし、ロスでも体調こそ万全ではないが当然無罪を主張するものと思われていた。
その昔、週刊文春の安倍編集長は「三浦は自分の嘘を真実と思い込む特殊能力がある」と書いていた記憶があるが、30年近くも無実と言い続けたのだから、事実か否かは別として、彼の中では「自分は絶対に無実」と凝り固まっていただろう。
その彼が自殺したとなると、アメリカ本土で裁かれる共謀罪において、勝ち目がない証拠を握られてしまい、先行きに絶望した結果死を選んだとしか思えない。

三浦がサイパンで逮捕された時、被害に遭った元妻の母親は「裁きを受けて刑に服する事を望む」とコメントしていた。
結果としては、彼の死によってロス疑惑の真相が明らかになる事はなくなった。
裁判の起訴も取り下げになるだろう。
しかし今回の顛末もまた裁きの結果とも考えられる。
被害者の遺族の気持ちが、少しでも癒される事を切に祈りたい。