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なぜ北朝鮮がテロ支援国家から解除されるのか?

アメリカは、二十年振りに北朝鮮テロ支援国家から解除した。

二年前に日本拉致被害者と面会したブッシュは、「アメリカは拉致被害者に同情」し、問題解決に努力すると大見えを切った。
ところが、拉致問題に何ら解決の目処すらない時点での北朝鮮への歩み寄りは、全く理解できない
まさに北朝鮮のブラフ外交に手玉に取られた感じがする。

今回の経緯を見るにつけ、皮肉にも外交手段として核武装の持つ威力を痛感してしまう。
世界中のほとんどが核兵器の残忍さを知っている。
核兵器の絶滅を願っている。
しかし、だからこそ核武装する事が極めて有効な外交手段になってしまう。

北朝鮮のような、国民の大半が飢え、悲惨な生活を強いられている弱小国家でも、核武装する事で六カ国を相手に恐喝まがいの外交を展開する事が出来る。
結果として、核武装を放棄する事を条件に、経済支援を取り付ける事に成功した。

北朝鮮が、こんなに有効な外交手段を放棄するはずがない。
なんだかんだと理由をつけ、実際にはいつまでも核武装を解除しないだろう。
それが分かっているはずなのに、既にレームダックになっているブッシュ政権は、優秀の美を飾る為に日本や韓国の拉致被害者を見捨ててしまった。

麻生首相の危機感のなさも深刻だ。
今回の事態でも、「拉致問題解決への影響はない」とは能天気すぎる。
北朝鮮は、小泉と金正日会談以降は、拉致問題について一切の情報を公開していない。
それどころか、「拉致問題は五組の被害者が日本に帰った事ですべて解決した」との立場を崩していない。
テロ支援国家指定下にあっても何一つ解決もしていないのに、各国が公然と経済支援するようになれば、自国の犯罪をこれ以上暴くはずがないではないか!

今回のアメリカの政策は、アメリカ頼みの日本政府の無策ぶりを白日のもとに晒した。
国家利益の前には、一般庶民のとっては極々当たり前の、「家族が揃って暮らしたい」とのささやかな幸せを求める行動など、吹けば飛ぶようなものだったのか。
その昔、アメリカは北朝鮮ならず者国家と表現した。
それは今に至っても、全く改善されてはいない。
北朝鮮金正日の独裁体制が続く限り、平和的な解決手段はあり得ないはずなのに。