昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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やはり田原総一郎は好きになれない

次の衆議院選挙の当落予想があったので、週刊朝日を読んだ。
紙上、森田実野上忠興の予想では、自民党ボロ負け、民主党過半数獲得らしいので、もしそれが正しいのなら政権交代となる。
ただ、例え予想が間違っても彼等は何の責任もとらないだろうから、いい加減なものと思っていた方がよい。

その週刊朝日の中に、田原総一郎の「ギロン堂」のコーナーがあった。
「そこが聞きたい!」のサブタイトル付き。
今回は、評判の悪い「麻生政権の定額給付金」を取り上げていた。
田原は、定額給付金が評判が悪いのは麻生首相の姿勢がブレてふらついた所為で、国民は「野党やマスコミが批判しているので何となくその気になっているだけ」と論じている。
またご丁寧にも、彼が各地の講演で「定額給付金は評判が悪いけど、(皆さん)ホンネは迷惑ではないですよね」と言うと、例外なく大きな拍手と笑いで包まれるとも語っている。
そして、「何を根拠に定額給付金が国民に迷惑と決めつけているのか」と、野党を批判している。

田原総一郎は、全く国民心理が分かっていない。
単純な話、国民のほぼ全員が、定額給付金を貰う事は絶対に拒否はしない。
誰もが、どんなに定額給付金が胡散臭くても、くれる物なら貰う。
例えそれが2万円でも、貰える物なら拒否はしない。
しかし、その総額が2兆円にもなると聞くと、これまた当たり前だが「ほかにもっと効果的な使い方があるだろう!」と思うものだ。
また、今回麻生首相定額給付金を持ち出したタイミングが、選挙近しと噂されていた時だったので、多くの人が「選挙目当てのバラマキ政策」と見抜いてしまった。
それでも、貰える物なら貰うのが国民心理。
講演の時に聴衆が「迷惑ではない」と笑っても、それは定額給付金を評価しているのではない。

田原は、「今こそ各党が党利党略を払拭、大不況から国民を守るための政策を与野党協調して繰り上げるべき」と言い、最大の問題は雇用の確保だから、「選挙目当てのパフォーマンスではなく、皆で誠実に話し合い、実効性のある政策をまとめるべき」と結んでいる。
何と美しい言葉の羅列だろう。
しかし、何一つ具体性はない。
こんな抽象的な主張で、国民生活が守られるのなら何も苦労はない。
現実は、あらゆる企業は社員の首切りすら辞さないほどに追い込まれている。
そんな時に「誠実に話し合って国民を守る政策」など期待するほうがおかしい。

少々荒っぽくても、何とか株価を上げるような政策を打ち出さないと、間もなく銀行の貸し渋り貸し剥がしが現実になってくる。
その時は、企業の黒字倒産さえ発生するのだから、今よりもさらに状況は悪化する。
与野党ともに、チマチマと足の引っ張り合いなどなっている暇はないはずなのに、「政界のお意見番」を自任する田原総一郎にして、鼻歌程度の提案しか出来ないところに、政治とマスコミの怠慢を感じてしまう。