昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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街中でマスク姿が激減している!

あれほど上を下への大騒ぎだった新型インフルエンザ狂想曲が、いつの間にか沈静化してきた。
あの騒ぎは一体何だったのだろう。
舛添厚生相は、天下分け目の大決戦!みたいな顔つきで「水際で完全防止」と力説していた。
その結果、僕なんかでさえ成田空港で大よそ一時間の検疫に巻き込まれた。
まるでコレラ患者を扱うような仰々しい格好だったが、それでも、「恐ろしい豚インフルエンザを防ぐ為の国策であれば」と、おとなしく指示に従ったものだ。
その後も、検疫をすり抜けた病原菌が関西で患者発生となると、今度は関西から来たというだけで恐ろしがる。
世間では、インフルエンザの患者は村八分されかねないようなピリピリぶり。
多くの会社が、マスク着用でなければ面談しないとまでエスカレート。
マスクは全国で品切れとなり、社員が会社の安全マスクを大量に持ち出す騒ぎまで引き起こす。
巷には、マスクで重装備した人たちが溢れ、いかにも「インフルエンザが怖い」と震え上がっているのが見て取れる、明らかに異常事態だった。
海外マスコミからは、地下鉄の乗客の大半がマスク姿の写真と共に、「日本人は海外発の病気には異常反応する」と揶揄されたものだが、それでも保身の為にとマスクを大量に買い込む心配性の人間が多いものだから、マスクメーカーがいくら増産しても、市場には商品が充足しない。
昭和48年第一次オイルショックで、洗剤とトイレットペーパーがスーパーから姿を消した光景を髣髴とさせた。

ところが、最近ではマスク着用の人達が急激に減っているように感じられる。
だんだん事態が判明するに連れ、「弱毒性でほとんど命に別状無し」になってきたし、また罹患した患者も、わずか一週間ほどの治療で退院している。
「喉元過ぎれば」の典型だが、元々マスクなんか使い勝手が悪いものなので、危機感が薄らげば使用しなくなる。

しかし、マスクメーカーはそうは行かない。
全国から注文が殺到したので、緊急に増産体制を整えきったはずだ。
それは単に生産能力を最大化するだけではなく、オペレーターや機械、原材料の手配等、当分の間は大型注文が継続する事を前提に増産体制をとっている。
そんな時に突然需要が減少すると、在庫の処理に苦しむ事になってしまう。
需要がある時には出荷できず、需要が減少した頃に供給体制が整うのは、古今東西繰り返される製造メーカーの苦しみだ。

在庫処理に困る人達にとっては、密かに秋になってインフルエンザ騒動が再発する事を願うしか方法がなさそうだ。
日本中が、今回のインフルエンザに罹患すれば命がなくなるとばかりの不安感の中で、マスク不足の大騒動は、とんだ罪作りで終焉しそうだ。