昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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久しぶりの上海、北京

一年半ぶりに中国の二大都市を訪問した。
世界中が未曾有(みぞうユウ)な大不況の中、中国経済だけは善戦健闘している。
その為、世界中が中国頼みになっている。
日本経済の立ち直りも、中国への輸出強化しかネタがない状況だ。
何でも60兆円以上の景気刺激策を実施中との事だから、チマチマした日本とは桁が違う。
何かやろうとすると必ず反対勢力からイチャモンがつき「ああだこうだ」と具にもつかない議論を繰り返した挙句何も決まらない日本のような民主主義国家に比べると、お上が「こうする!」と決めればアッという間に実行に移る独裁国家との違いだろう。
こんなご時世でも活況を呈する中国を肌で感じると、政治のあり方を考えてしまうが、「では日本より中国の方が好きか?」と問われれば「ヤッパ日本が良いヨナ」となる。
少々不満がないわけではないが、不肖私メ、日本人で良かったといつも思っている。

ところで中国。
上海は来年の万博を目指し、様々な公共投資を実行中だった。
何でも揚子江を渡るためにトンネルを掘り、橋をかける大工事も進行中らしい。
揚子江なんて、川とはいえないほどの大きさなので、さぞや大規模投資になるだろう。
活発な経済活動とあわせ、快晴のはずなのに空はスモッグで曇りきっている。
さすがに街中では感じないが、高速道路を走ると至る所で異臭が発生している。
健康的な生活など望むべくもない。

その後、二時間のフライトで北京に到着。
上海とは違い、空は見事な青空、気温37度と猛暑だが湿度20%と不快さは感じない。
オリンピック開催で強制的な街づくりをした影響で、整った町並みに変わっていた。
行きかう人達のファッションは東京の表参道バリに色とりどり。
街中を走るトロリーバスや電車は、オリンピック前に全て新車に置き換えたらしく、「小汚い中国」と印象はどこにもない。
今や北京は、オリンピックの成功を経て東京、ニューヨーク並みの世界的大都市になったようだ。

案内してくれた中国人に「人民服を買いたい」と申し出た。
わずか二十年前、毛沢東が死んで文化大革命が終るまでは中国の制服だった。
大半の中国人は紺色の人民服を身に纏っていたはず。
しかし、今やどこに行っても往時の中国の象徴だったファッションを見る事が出来ない。
「田舎に行けば偶に着ている人がいるが、北京や上海では皆無。骨董店に行けばあるかも」らしいが、骨董的な価値があるとも思えず、購入をギブアップ。
しかし人民服を着て中国の顧客を訪問したら、相手はどんな顔をするだろう?
中国変貌は、中国人のファッションに一番大きく現れている。

北京では、青信号で横断歩道を渡っているとバスや車がもの凄い勢いで突っ込んでくる。
身の危険を感じるので、道を譲らざるを得ない。
中国の同僚に聞くと、「中国では大きくて、力が強い方が偉い」のだそうだ。
こんな所にも中国の特長が良く現れている。
中国って、付き合わなければならないが付き合いたくない、そんな国だ。