昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ビル・クリントンが金正日に拝謁

「ウムッ、ご苦労。大儀であった」と、金正日が言ったような気がした。
そんな、世界中が驚いた元アメリカ大統領の訪朝だった。

クリントンピョンヤン空港に降り立った時から、完全にシナリオに沿った猿芝居だった。
もともと逮捕された二人のアメリカ女性救出の為に、アメリカの大物政治家が訪朝するとの観測があったらしい。
無論、情報の出元は北朝鮮
北朝鮮アメリカとの事前交渉で、女性の救出を焦るアメリカの足元を見て、様々な無理難題を吹っかけたに違いない。
そしてアメリカはそれをほとんど受け入れたはずだ。
だからこそ、クリントン元大統領は金正日将軍様の拝謁を受ける事が出来た。
そして将軍様の特別のお計らいで、女性二人の解放にこぎつけた。
金正日将軍様破顔一笑振りを見ると、そう見るのが妥当だ。
アメリカは北朝鮮の外交に負けたのだ。
今後、北朝鮮の暴走を止める手段はなくなったと見たほうがよい。

今回無事開放されて大喜びしていたアメリカ人女性は、一体何をしに北朝鮮まで出かけたのだろうか?
「中国領内で拉致された」との言い訳がましい情報もあったが、そんな事を北朝鮮の数少ない理解者中国が許すはずがない。
恐らく、功名心に駆られて北朝鮮密入国したところを逮捕されたのだろう。
だからこそアメリカは、北朝鮮に頭を垂れ土下座に近い手段で人質解放にこぎつけたのだろう。
アメリカは人質無事解放で湧き上がっているようだが、返す返すも単にアメリカの国益を損なうだけでなく、国際的な力関係に悪影響を及ぼした馬鹿な連中だと思う。

さすがにアメリカも少しは恥を知っているようで、クリントンアメリカ人人質女性解放だけではなく、「日本や韓国の拉致被害者についても言及した」と発表した。
意外にも日本の評論家達は、「この発言を日本人拉致被害者問題解決に結び付けなければ」と、まるで能天気にコメントしている。
クリントンが、金正日様にお会い頂いたような時に、このような事を言及するとは思えない。
例え喋ったとしても、眦を決して詰め寄るなんて絶対に考えられない。
日本や韓国に抜け駆けしたバツの悪さを糊塗しているだけだ。
北朝鮮に言わせると、アメリカは膝を屈して非を認め、自国の人質解放をお願いしたとの事、
無論、アメリカは事実とは違うと発表するだろう。
「膠着状況から抜け出す為に、北朝鮮アメリカに秋波を送ってきた」とでも言い繕うだろう。
しかし、アメリカがコッソリと北朝鮮と裏取引した事は紛れのない事実だ。
舞台裏まで含め事実か否かに関係なく、北朝鮮は自国に有利な情報を「これでもか!」とばかりに暴露するに違いない。

アメリカは、絶対にテロリストと取引はしないと自負してきた。
何はなくとも人命最優先の日本では考えられないが、犯人が人質と共に立てこもると、人質諸共銃殺してきた国柄だった。
アメリカには、テロリストに妥協するとその後に更に多数の被害者を生み出す為、人質になった事を不運と諦めて貰うとの国民との合意があったはずだ。

その強かったアメリカは消滅した。
ブッシュ前大統領が「悪の枢軸国家」と強く非難した北朝鮮に対して、自国の人質だけを助ける為に媚を売り、世界中に恥をさらした。

今回のクリントン北朝鮮訪問は、アメリカによる犯罪国家北朝鮮の実質的承認という、極めて深刻な事態を引き起こした。
こんなアメリカに頼りきりだった我々日本人は、どうやって日本人達被害者を取り返すのかを真剣に考えなければならない。