昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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胃癌で手術の必要あり!

極めて近い親戚の人間が胃癌になった。
一昔前なら、家族の顔面真っ青の事態だったろう。
医者が「奥様に薬を渡しますので後ほどお出で下さい」とか言って、「実は御主人はガンです」と告知する。
妻はよよと泣き崩れながらも「私がしっかりしないと」と自らを叱咤し、「何でもないって。すぐに治るらしいよ」と患者に対して勤めて明るく振舞う。
映画ではそんなシーンが主流だった。

最近はまるで様相が違う。
先ずは本人に「検査の結果あなたは胃癌です。手術の必要があります」と説明される。
宣告された本人は、やはりショックのようで、「腹を切られる覚悟をした」とか、「胃癌で良かった。他の場所だったら見つからなかったかも」とか必死に自分を励ますが、傍からは虚勢にしか見えない。
見舞客が、「手術できるなんていい方、本当に悪かったら手術なんかしないもの」と、あまり論理的ではない言葉で勇気づけると、「そう言えばそうだな」と楽観視する。

入院後数日すると、いよいよ「御家族へ手術の説明をします」となり、家族全員が病院に集合。
全員を前に手術の内容説明があり、翌日サッサと執刀。
こんなプロセスなので、昔の癌病棟の深刻さはどこへやらの感じになっている。
ここに至ると、患者本人も「自分も含めて告知するくらいだから軽度の癌に違いない」と、どうしても楽観的に見たがる。
やはり、隠すよりも伝える方が絶対に良さそうだ。

てな訳で、先日手術が執り行われた。
極めて初期の癌と言いながら、手術時間は7時間。
胃の三分の二を取り除く大手術だった。
しかし、結果は悪性ではなく、心配も不要との事。
一族郎党大安心の巻だった。

手術の翌日には、患者は点滴セットを引きずりながら歩き始める。
こうしないと治りが悪いとの事。
これもまた、「術後は完全静養」の、昔の常識からはかけ離れている。
医学の進歩で、早期発見さえできれば、もはや癌は恐ろしい病気ではなさそうだ。
来年ぐらいは、当方も15年ぶりぐらいに胃の検診を受けてみようかな。