昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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中曽根康弘大先生のご託宣

28日月曜日、日経新聞の第一面に、中曽根康弘大先生のご託宣が掲載された。
「2010年日本と世界」で、「世界の日米同盟を語れ」との見出し付き。

この先生、91歳にして矍鑠、老いて益々盛んで、ボケなど微塵も感じさせない。
何せ田中角栄の支援を得て総理大臣になった時は、今の鳩山-小沢の関係よりもひどい傀儡政権と集中非難を受けながら、いつの間にならアメリカのレーガン大統領と「ロン-ヤス関係」を作り上げ、今や戦後吉田茂に匹敵する名宰相との誉れ高い御仁だ。
また国鉄民営化や行政改革にも尽力、従六位大勲位を位階するなど、とにかく世界的にエライ政治家先生なのだ。
鳩山以前の自民党政権で、若輩そのもので頼りない総理大臣が三代も続いた事を考えれば、「昔の人は偉かったなァ」と感慨にふけってしまう。

発言内容も、世界の中での日本のあり方を示唆するもので、大いに傾聴に値する。

と、良い事尽くめなのだが、ご託宣の最初の一言に引っかかってしまった。
「2010年は寅年。虎は千里を走ると言うが、金融危機の後遺症もあり、それだけのエネルギーは日本にも世界にもないだろう......」

これは、国際的に名声を得た元総理大臣の発言ではなく、ダチョウ倶楽部の「ツカミはOK」程度のギャグでしかない。
当たり前だが「寅年」などといっても、国際的には誰もがキョトン!
「虎は千里を走る」ったって、そんなの見た人はいない
比較的干支の文化を共有しているアジア地区だって、寅年だから何か特別な事が起こるなんて信じている人はいない。
我々素人衆が、年賀状で干支にかけて縁起を担ぐのと訳が違う。
要は、テレビの星座占いや血液型占いの類でしかない事が、とってもエライ元総理大臣先生様から、何の疑いもなく、誠に有難いご託宣として新聞の一面を飾る。
こんな事世界では、鳩山幸の「金星に行った」と同じ程度のオカルト趣味でしかない。

中曽根康弘大先生は、長年衆議院議員を勤め上げ、総理大臣にまで上り詰め、更に引退後も様々に影響力を持つ「日本トップの知性」とあがめられる存在のはずだ。
それなのに、まるで科学的とは思えない干支で2010年を表現する。

個人的に、何を信仰しようと自由だし、縁起を担ぐのも大いに結構。
しかし、今後の日本のあり方を高邁に述べるのなら、しかも世界に向けてメッセージを発信するのなら、およそ無意味な迷信や枕詞は不要だ。