昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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さらば最強横綱、朝青龍

稀代のヒール、朝青龍が大ピンチになっている。
素人衆に手を出して、怪我をさせたらしい。
早速アンチ朝青龍の集団が「解雇せよ」と騒いでいる。
元NHKアナの杉山、漫画家のやくみつると黒鉄ひろし、元相撲取りの龍虎、テリー伊藤
その他コメンテーター諸氏も、「今度ばかりは厳重注意処分では不足」と世論操作に躍起となっている。
確かに天下の横綱が、酔った挙句に喧嘩して殴ったのなら、庇いようがない。
更にマズイ事に、当初の説明では「マネージャーとの内輪喧嘩」だったはずなのに、「実は知人だった」事がバレてしまい、嘘つきの罪まで加わった。
青竜のファンだった当方も、さすがに今回は応援の仕様がない。
恐らくは、軽くて数場所の出場停止、最悪解雇処分は免れないだろう。

テレビ朝日の特別番組で朝青龍の特集をやっていたが、確かに彼は短気者で、気に入らないと途中で取材拒否したり、大声で恫喝したりしていた。
またモンゴルで大自然相手のトレーニング取材も、なかなかスタッフに打ち解けない気難しい一面を見せていた。
内なる荒々しい闘争心を抑制できず、感情の赴くままに振舞っているように見えた。
それが朝青龍の魅力そのものなのだが、日本人には全く受けない。
彼はいみじくも「日本人は、反省した姿を見せないと許してくれない」と喝破していたが、国際人朝青龍にとっては、勝ち負けよりも「日本のしきたり、伝統、国技」に拘る評論家の意見がどうしても理解できないのだろう。

僕は内舘や杉山がヒステリックに、「朝青龍は国技を馬鹿にしている」と非難するのにどうにも違和感がある。
そもそも相撲が国技だと力説するのなら、外国人相撲取りを認めるべきではなかった。
(実は韓国・朝鮮系はとっくに存在していたが)最初の外国人力士と言われる高見山は、日本人以上に日本人的だったといわれるが、小錦あたりから外国人力士は自己主張が強くなっていた。
曙は、相撲を辞めた後、横綱だった過去の名声を壊し続けている。
彼らには日本人の求める相撲取りの美徳などまるで理解不能なのだろうが、それでも一応は健気に古い相撲協会の体制に恭順の姿勢を見せていた。
そして、若貴ブームが去った後の相撲界をたった一人で支え続けたのが、今や嫌われ者の代表格となった朝青龍だ。
朝青龍がいなかったら、とうの昔に相撲人気なんてなくなってしまっていたはずだ。
朝青龍は増長していると非難されるが、相撲協会は一人横綱朝青龍に文句が言えなかったのだ。

しかし、一般人を殴って怪我をさせたのは事実なので、今回ばかりはさすがの朝青龍も分が悪い。
であれば、自ら引退してしまえばよい。
今や実力No.1は白鵬に変わった。
朝青龍は、善玉白鵬を引き立てる悪役に過ぎない。
それでも、朝青龍がいるといないとでは相撲の面白さがまるで違う。
多くのアンチ朝青龍ファンは、正義の使者白鵬朝青龍を投げ飛ばす事を期待している。
数少ない朝青龍ファンは、ブーイングの嵐の中で朝青龍が勝ち進み、憎々しげに大見得を切ることが痛快で仕方がない。
野球の巨人ファンとアンチ巨人ファンの心理と似ている。
巨人ファンは巨人が勝てばうれしいし、アンチ巨人ファンは自分の贔屓チームが最強球団巨人をやっつける事に快哉する。

朝青龍の解雇を迫っている連中にとっては、彼の顔すら見たくないのだろうが、そんな恰好の二人の凌ぎ合いを見ることが出来なくなると、大相撲そのものに興味が薄れてしまう。
弱い相撲取り同士の競い合いなど、全く興行価値などない。
朝青龍を失った時、初めて彼が相撲界に果たしていた存在の大きさを気づくに違いない。
しかし今や、白鵬の出現でお邪魔虫となった朝青龍を理解し応援する勢力など皆無だろう。
だから朝青龍よ!
もはや朝青龍を必要としていない相撲界に、自ら決別するべき時期だ。
それが長年にわたって日本大相撲を支え続けた偉大な横綱の、最後の矜持だろう。

それにしても、相撲界の中でも暴れん坊と恐れられる朝青龍と喧嘩するほど度胸のある人とは一体誰なんだろう。
そんな人を、素人衆と呼んでいいのだろうか?