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金本選手の連続出場記録ストップ

世界記録が途切れたのだから、関西では号外まで出たそうだ。
4月18日、阪神金本知憲選手のフルイニングス連続出場に終止符がうたれた。
10年間以上全く休まずに働き続けたので、極めて評価が高い。
国民栄誉賞まで貰った、衣笠祥雄にも匹敵する大記録とも言われる。
それを「勝つ為の選択」と、自らスタメン外れを申し出た姿勢にも称賛の声が集まっている。
真弓監督も、偉大な記録を自分が止めていいのか迷ったとも聞こえてくる。
翌日の新聞は、「潔い!」「凄い!」と称賛の嵐だ。
一試合も休まずに10年以上働らき続けるのは、不断の自己管理や厳しい鍛錬の賜物だろうし、他になし得た人がいない事からも大変な記録である事は間違いない。
しかし、果たして記録としてはどれほどの価値があるのだろうか?
外野からの返球もままならない状況でも、阪神球団からは「休め」と命令が出来なかった。
周囲が「世界記録!」と囃し立てた為に引っ込みがつかなくなり、最後は「記録の為に出場する」事が優先されたのではないだろうか。

サラリーマンは、プロ野球の選手に比べて肉体的には、そして恐らくは精神的にも随分と楽な仕事だと思う。(もちろんその分、年収にも差があるが)
そのサラリーマンは、年休と称する相当な日数の休む権利を有している。
本来はプロ野球選手にもそんな権利があって然るべきだろうが、自分の腕一本で稼いでいる彼らには、休んでいる間にライバルが登場する恐れもあり、我々ほどは簡単に休むわけにはいかない。
ただプロ野球が優勝を目指した団体競技である以上、勝敗が決した後の所謂消化試合にまで連続出場の記録がかかるのには違和感がある。
また、今回の金本選手も晩年の衣笠選手も、連続試合出場を継続する為に代打で一打席だけ登場するのも、果たして試合の勝ち負けにどれほどの意味があるのか分からない。
単に偉大な選手の偉大な記録だから、とにかく続けなければとの強迫観念が優先されているのではとも思う。

データ魔的傾向がある本家大リーグのアメリカはやたらと記録が好きで、ほとんど誰も知らなかった事も新記録として認められる。
中には犠打とか刺殺率とか勝ちに直接貢献する記録も多いが、一方では「30歳以上では新記録」のような、チームへの貢献には無関係な物まで称賛される。
年寄りが頑張っているのを更に鼓舞する意味は大きいが、そんな記録の為に采配が変わるのは本末転倒だろう。

金本選手は、単に連続出場しただけではなく、その攻守にわたるプレイ振りを誰もがチームリーダーと認めている。
だから連続出場に拘る事無く、徹底的に体を直し、もう一度四番バッターとして復帰する事が一番大事だと思う。
僕は「代打、金本」ではなく、「四番、金本」の雄姿を見たい。