昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ハイライト本田圭祐とローライト中村俊輔

ワールドカップほどの世界的規模の大会では、まさにサッカーの達人達のプレイを腹いっぱい見る事が出来て、楽しくて仕方がない。
日本で人気のある野球や相撲は「何もしていない」時間が多く、結構退屈なスポーツだ。(尤も日本では、それを「間合い」と称して、それなりの意義づけをして楽しんではいるが。)
それに比べ一時間半に亘って右に左に走り回るサッカーは、見ている方も結構くたびれるが、面白い!

今回のワールドカップは、日本代表がまるで予想外の大活躍で予選リーグを突破した。
大半のサッカーファン同様、当方も三連敗を予想していたのが、予選リーグとは言え二勝したのには心底驚いている。
俄サッカー評論家「セルジオ・越前」と称して、身の程知らずにサッカー専門家の岡田武史監督や日本代表を批判した事を深く恥じ入っている次第だ。
当方だけではない。
評論家の中には、監督解任まで要求した輩もいる。
本来なら切腹ものだが、日本中で結果が良かった事を大喜びし、余裕の反省をしている。
サッカー後進国の日本にも、いつの間にか熱烈なサッカーファンが増えたものだ。

今迄のところ、今回のワールドカップは、日本に希望と勇気を与えている。
そしてその主役は、紛う事無く「本田圭佑」だろう。
このビッグマウスのキンパツ男、2007年の北京オリンピック予選まではさほど注目されていたわけではない。
名古屋グランパスに所属していたらしいが、少なくとも俄サッカーファンの「セルジオ・越前」はまるで知らなかった。
ワールドカップの地区予選で、当時のチームリーダー中村俊輔フリーキックを巡って口論した事や、「守備は嫌だ」とゴネて、やはり中村俊輔から苦言を呈されるとか、あまり評判が良い選手ではなかった記憶がある。

ところが地区予選突破を決めた頃から、中心選手のはずの中村俊輔が絶不調に陥ってしまった。
親善試合とは言え、日本代表の不甲斐ないプレイが続き、ワールドカップ直前になって「名将」岡チャンは急きょ配置換え、キンパツ本田をワントップに起用するフォーメーションを採用した。
多くのサポーターや評論家からは、「ドタバタ采配」と故ない批判を浴びたが、これは彼らが「名将」の深い洞察力と戦略を理解できなかっただけ。(と、まるで結果論だが)
とにかく今や、本田圭佑と岡チャン監督は、時の人、ヒーローとして日本中の注目と称賛を浴びている。

一方、本来なら主役のはずだった中村俊輔は、まるで忘れ去られている。
稀に「今の日本代表のチームワークは抜群。特にベンチの脇役がまるで腐らずに主力選手を盛り上げている」と、場違いな称賛記事の中で紹介される事はあっても、せっかく途中登場した対オランダ戦でも、肝心のプレイには批判が多かった。
ワールドカップ中継では、本田啓祐は晴れやかにスポーツドリンクのコマーシャルに登場する。
今後は更に露出が急増し、出演料も高騰するだろう。
一方の中村俊輔も、車のコマーシャルでカッコいい雄姿を披露している。
しかし今の中村俊輔では、恐らくは誰もその食指が伸びず、商品価値は暴落だろう。
栄枯盛衰は世の習いとは言え、三か月前には想像すらできなかった事態であり、内心はさぞや複雑な物があるはずだ。

はっきりした結果を伴うスポーツの世界は確かに厳しいが、しかし分かりやすい。
今が旬の本田圭祐だって、いつ何時中村俊輔の悲劇に襲われるかもしれない。
基本的に我々ファンは、楽しませてくれる選手にしか興味がない。
いくら過去に名選手でも、パフォーマンスが衰えればお払い箱だ。
中村俊輔が輝きを取り戻すのは、サッカーのプレイを通してしかあり得ない。
サラリーマン老兵は、自らを投影した中村俊輔を応援したい。

たかがサッカーだが、今回のワールドカップには人生の縮図が垣間見える。