昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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PK戦、残酷なり!

深夜、半分以上睡魔に襲われながらのテレビ観戦だったので、ほとんどのシーンは覚えていない。
たまにアナウンサーの絶叫が起こるとフッと画面を見るが、すぐにまた寝入っていたようだ。
ただPK戦の時だけは目が覚めて、全シーンを見ていた。

それにしてもPK戦は、誰かが戦犯にならない限り勝敗が決しない残酷なルールだ。
キーパー側は、「止め切れなくて普通、止めれば英雄」なので、半ば以上開き直れるだろう。
しかしキッカ-側は、「決めて普通、外せば戦犯」だから、プレッシャーがまるで違う。
しかも今回のように、五人中一人だけが外して勝利を逃した場合、ましてや日本にとって初めてのベスト8進出を果たせなかったのだから、責任を痛感し心理的に追い込まれてしまう事も想像に難くない。

今回、日本側の三番手に登場した駒野のPKは、クロスバーを直撃、大きく弾んで外れた。
見ている側も、思わず「アッ!」と声が出たほどだったが、当事者は血の気が引いただろう。
その後パラグアイ選手二人が落ち着いてゴールを決めたので、この時点で日本の敗北が決まった。
駒野は、何も言わずひたすら泣いていた。
仲間が肩を抱き、慰めていたが、涙が止まらなかった。
パラグアイのアエドバルデス選手も、駒野に近寄り、言葉をかけていた。
全くの推測だが、「気にするな。誰かが君の立場にならなければならない。」とでも言ったのだろう。
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慰めになったのかは分からないが、同じフィールドで敵味方に分かれて激闘した者同士、PKに失敗した駒野の気持ちが痛いほど分かるのだろう。
僕は、駒野に泣いて欲しくなかった。
テレビカメラに向かって、「ボールの行方が、ネットではなくバーだった」と、毅然として答えて欲しかった。
事ほど左様に、PK失敗は運不運の世界で、責任を背負い込む必要はないと思うからだ。

日本は、念願のベスト8進出はならなかった。
ただ、もしもベスト8に至れば、次はベスト4が欲しくなるし、そこまで行けば決勝戦、はたまた優勝、と我々ファンの欲望は尽きる事がない。
今回のワールドカップの日本代表は、期待を遥かに上回る出来で、開幕以来大いに楽しませてくれた。
強豪パラグアイの猛攻に耐え、延長線まで二時間をも戦い、しかも決して負けたわけではない。
ただルール上、結果としてベスト8には進出できなかっただけだ。

PKを外した駒野は割り切れないだろうが、その最終章の試合としては最も諦めのつく散り方だったと思う。