昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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日本の素晴らしさと国際化

海外で飛行機を利用すると、中国人が係員と揉めているケースに出くわす事がある。
普通は手荷物持込は二個までが相場なのだが、中国人は全財産を持ち運ぼうとする。
大量の手荷物を機内に持ち込もうとする中国人と、それを阻止する係員の押し問答が続くのだが、ほとんどの場面で、中国人は大声で抗議している。

中国人は他人をまるで信用していないので、荷物を手放す事を躊躇するようだ。
我々から見れば、「なんと社会常識がない」と呆れたくなるのだが、実は国際的に見れば誰でも信用してしまう日本人の方が圧倒的に少数派。
日本人ほど、まるで無警戒な民族は珍しい。

電車の中で居眠りをするなんて、それだけでも海外では信じ難い行為だが、日本人の場合、更に荷物を網棚に放置している。
「あれは、所有権の放棄だ!お好きに持っていって下さいとの意思表示だ」と言われた事がある。
中国人の仕事仲間は、「日本で一番驚いたのは、電車の中で携帯電話をしていた女子高生が荷物をその場に置きっぱなしでトイレに行った事」と話したが、彼女が帰ってくるまでその荷物がその場所に置かれたままだった事に、心底カルチャーショックを受けたらしい。
「中国では有り得ない。荷物を手放したら、すぐに無くなります」と、自虐的に笑った。

そういえば列に並んでいてチョイと用事を思い出した時、自分の順番を確保する為にカバンを置いてその場を離れる光景を良く見る。
これも日本では極々当たり前だが、海外では何のことか分からないだろう。
そもそも外国人には、列に並ぶのが至難の業。
日本では、到着順に秩序が保たれるのは当たり前で、例えば花見や運動会の席取りなど、先に茣蓙を置かれた途端、その日の所有権が確立してしまう。

しかしこんな事は、価値観を共有している共同体だから成り立つ現象だ。
「こんなカバンとか茣蓙とか、何なのさ!」と放り投げられたら、実は自分の権利を裏付けるものなど何もない。
しかし日本では、そんな行為に至る不届き者など存在しないし、万一出てきても秩序を乱す輩と看做され、社会的非難の視線を浴びてしまう。

電車の中で、ウツラウツラと居眠りする心地良さ。
小市民にとってのささやかな喜びだが、こんな事が大っぴらに許される事に、古き良き日本の素晴らしさと住みやすさを実感する。
しかし、周囲は全部敵のような国際化が姦しく叫ばれる現在、果たしていつまで続けられるのだろう。
今はやりの国際化には、そんな不安も感じてしまう。