昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ペットは可愛い!

かなり昔だが、台風で我が家が全壊した。
小学校の一年生だった。
大きな梁が、寝ていた足元を直撃。
今にして思えば、よくぞ無傷でいられたものだと背筋が寒くなる。
母はこの時に、家族が誰ひとりかすり傷さえ負わなかった事を「神様のお加護」と思い込み、以来死ぬまで神様を敬い続けた。
当方は幼かったので、そんな殊勝な気持ちにはなれず、今持って敬虔な無宗教徒を続けている。

家を建て替える間、一家揃って近所の空き家に移住した。
この時、近所に野良猫が住んでいた。
餌をやると、すっかりなついてくる。
寝ていると、布団の中に潜り込んできて、グーグーと鼾をかく。
家族は大迷惑だったが、当方には初めてのペットだったので大いに可愛がった。

ところが、やっと出来上がった新築の家に移った時、どこへともなくいなくなった。
きっと両親がどこかへ捨てたのかとも思うが、当方も冷たいもので、あんなに可愛がっていたのに、他に熱中する遊びが出来ると、すぐに忘れてしまった。

それから五年。
今度は親父が、野良の子犬を拾ってきた。
もちろん雑種で、親父の命名は「知美」と書いて、「チビ」と読んだ。
ところがこの子犬、親父と当方には懐くが、どういう訳かお袋と折り合いが悪い。
結果的には、親父が仕事に、当方が学校に行っている間に、「いずこかへ出奔」した。

爾来、ペットとは縁のない生活が続いたが、子供が出来た時に、情操教育の為と称して柴犬を飼った。
名前は「哲」で、これは立派な血統書付き。
犬小屋から食器まで、全部新調。
昔は残飯が餌だったが、この頃は栄養満点のドッグフードになるほどのVIP待遇。
まさに至れり尽くせりで、子供も散歩に付き合うほど、家族全員に可愛がられた。

ところが、我が家を建て替える時に、およそ半年間、アパート生活が必要になった。
ペットを飼い続ける事が不可能になり、必死に探しまわった結果、近所の人に犬小屋ごと、全部を引き取ってもらった。
最悪の場合、市役所にとも考えていたので、貰い主が現れた時には心底ホッとした。
貰ってもらった後が気になったが、会いに行くと犬と我々の両方に未練が出るので、必死に我慢した。
新たな飼い主に慣れて腹を出して寝るまで、一カ月以上かかったらしい。

ペットなんて、所詮は畜生達だが、それでもいつの間にか家族と一緒になる。
今やコンパニオンと考えるのが、一般的な風潮のようだ。