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煙草のマナー

煙草の吸殻が落ちているかで、ゴルフ場の名門度が分かる。
と、よくそう言われる。

我がホームコースは、世間で言う超名門ではない。
しかし、メンバーだったら何時でもプレイOK。
メンバー重視のクラブ運営なので、僕は世間の評価よりも大変満足している。
そんなホームコースでも、稀に煙草の吸殻が落ちている。
喫煙ゾーンの灰皿から風で飛んだり、カラスがつついたりした為のようだが、気がつくと必ず拾う事にしている。
こんな作業で、名門度が上がるなら安いものだ。

世界の超名門コースについては、残念ながらなかなかプレイするチャンスに恵まれないので、煙草の吸殻が散乱しているのかは知らない。
しかし東南アジアのゴルフ場では、煙草の吸殻が大量に散らばっているのは珍しくない。
中国、韓国からゴルフプレイに遠征してくる連中が増えている所為かもしれない。
彼の国の煙草マナーは、総じてひどい。

煙草のマナーは、その国の民度を測る格好のメジャーだ。
発展途上国では、路上で喫煙している輩がウヨウヨいる。
歩きながら、薄汚い格好で屯しながら、唾を吐きながら、とにかく、煙草だけは手放さない連中が多い事に呆れる。
日本でも、一昔前まではそうだったが、今ではポイ捨ては減っている。
最近では「煙草は害」意識が強まり、喫煙そのものが白眼視され始めた。
この正月に「男はつらいよ」全シリーズが放映されているが、昔の映画を見ると喫煙シーンが多い事を思い知る.
しかし最近では、テレビでも映画でも喫煙シーンは全くない。

煙草のコマーシャルも自粛されている。
また、常時灰皿を持っている人も増えてきた。
そう言えば、日本では、煙草を吸うことが出来る場所そのものが、ドンドン減っている。
路上での喫煙禁止区域も増えてきた。
新幹線の長いプラットホームでも、喫煙場所は一箇所だけ。
最近利用頻度の高いのぞみの車両でも、全車禁煙になっている。
我がホームコースの食堂でも、エアコンの風上地域に禁煙席が設営された。
多額納税者なのに、喫煙者にとっては住みにくい、と言うか、吸いにくい世の中になったものだ。

JT(日本たばこ)の社員とゴルフをしたことがある。
彼らは狂ったように煙草を吸い続けていた。
18ホールの全ティーグラウンドで必ず一本吸い上げる。
昼食の一時間とプレイ後の「反省会」では、間断なく吸い続ける。
聞くと、喫煙量は「一日三箱」らしい。
彼らは煙草を製造し販売するのが生業なので、タバコマナーには人一倍気を使っているが、それでも明らかに吸い過ぎだろう。
自らの肉体を酷使して社業隆盛に励む彼らを見ると、仕事とは言え「ご苦労様」と感心する事しきりだった。

ドラマでの煙草は、間を取るための小道具として貴重に使われてきた。
実生活でも、顧客との交渉で行き詰った気分転換に、仕切り直しに「ちょっと一服」は効果がある。
煙草を吸う事で、ストレスから解放される事もある。
煙草を吸わない僕は、喫煙マナーさえ守ってもらえば、小宮山禁煙ババアのように煙草を目の敵にする必要はないと思っている。
そう言うと、JT社員は我が意を得たように破顔一笑して、煙草に火をつけた。