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安倍晋三って「ついているオトコ」なのかなぁ?

僕はその昔、安倍晋三が親父の秘書時代に直截話した事が大いなる自慢なので、彼が自民党総裁選挙に捲土重来を期して出馬した時には、投票権もないのに応援していた。
ただ第一次安倍政権は余りにもだらしない幕引きを迎えたし、彼の学校時代の成績は決して褒められたレベルではなかったらしいので、安倍晋三は総理大臣なんてとても無理なだけでなく、政治家としても再起できないのではとも思ったものだ。
アタマの程度を表すエピソードとしては、どんなに個人レッスンを繰り返しても、彼は英会話ができないと聞いていた。

そんな先入観のある安倍晋三だったが、今回総理大臣に返り咲いた後は評価が鰻上りになっている。
先ず誰もがもう忘れてしまっただろう自民党総裁選だが、当初は石原伸晃の方が優勢だった。
安倍晋三は、石破茂にも後れを取り、健康不安まで抱えた三番手の評価に過ぎなかったのだが、石原伸晃が時の総裁、谷垣偵一を裏切った「平成の明智光秀」の悪名を浴びて失速、石破茂との決選投票では、石破よりもマシと石原伸晃の票を取り込んで、奇跡の再選を果たした。
自民党総裁復帰後には、ライバル政党民主党野田佳彦が唐突に自爆解散に踏み切り、予想通りに大敗北を喫したので、政権復帰を果たし、総理大臣に返り咲いた。
その後は、「脱デフレ」政策が、国内外で注目され、急激な円安、株高になったので、景気は回復してきたと評価されている。
一番の悩みは福島原発問題の後処理だろうが、これは民主党政権の初動失敗が最大の原因なので、深刻な問題の割には安倍晋三を直接非難する声は聞こえてこない。
中国、韓国からはタカ派政治家と警戒の目で見られているが、その分国内では頼りがいのある政権と見られ、小泉純一郎に続く、久しぶりの長期政権が期待されている。

自民党総裁復帰後の安倍晋三は、極めて順風満帆だったが、その集大成が東京オリンピック招致の成功のような気がしてならない。
前評判では、一時期こそ東京有利の情報も流れたが、直前は圧倒的にマドリッドに分があった。
特に日本のアキレス腱は福島の汚染水問題だったが、それが安倍晋三のスピーチでIOC委員の不安感を一掃、東京勝利の決定打になったと言われると「ついているオトコだナァ」と思ってしまう。
安倍晋三の経済政策、アベノミックス三本の矢に加え、東京オリンピック招致は四本目の矢と持ち上げられている。
この手の特需は、祭りが終わった後には深刻な揺り戻しが起きるのが常だが、今の時点でそんな不吉な話を心配する人も少ない、
「Situation is under control」はどう見ても言い過ぎだろうが、法螺吹きも政治家の大事な能力。
将に勝てば官軍だ。

今回のIOC総会の日本プレゼンテーションで一番驚いたのは、安倍晋三が英語でスピーチした事だ。
先述の通り、彼は英会話がまるで不得意と聞いていたので、百戦錬磨の国際人、IOC委員を前に国を代表して身振り手振りを交えた堂々とした話しぶりには、心底驚いてしまった。
英会話に関しては初年兵の僕だが、安倍晋三のスピーチを聞いても、彼の英会話能力は、猪瀬直樹よりも上だが、決してハイレベルではない事は分かる。
特に福島原発の技術問題については、事前に回答をモゴモゴと繰り返して練習したり、やはり最後は日本語で答えた点にも、僕には却って親近感を増し、微笑ましさを感じたが、真の英会話実力者なら、あの場面でも必ず英語で切り返す。
しかしそれでも、世界中が注目する場所で、あれほどのスピーチをこなせるとは、まさしく「地位が人を作る」典型なのだろう。

今や会社員にとって、英会話能力アップは必須中の必須アイテムだ。
社内共用語を英語にしてしまった、楽天のような企業まで現れている。
英会話は場数さえ踏めばうまくなるもので、アメリカでは馬鹿だって英語を喋っているが、その訓練に出遅れた僕は、長年に亘って英語で苦労してきた。
だから英会話が上手でない人には、心から妙な連帯感を持ってしまう。
安倍晋三にはすっかり裏切られた気がしているが、しかしこうなったら一念発起。
総理大臣と一介の老人サラリーマンと、身分の上ではとてつもない差がついてしまったが、せめて英会話だけは負けちゃならぬ。
何としても安倍晋三をキャッチアップするべく、更に精進する決意だ。