昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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リタイア後の一年間を総括

リタイア生活、二年目に突入した。
40年以上も会社員生活をしてきた人間で、ノルマと〆切に追われ続けていた。
ちょうど一年前に、その両方ともなくなったので、精神的にも肉体的にも大きな変化を味わう事になった。
遡って一年前の記憶を辿れば、正直なところ、期待感よりも将来への漠然とした不安の方が強かった。

そして、あれから一年間が経過した。
先ず何よりも、何とか生活出来た事、次に健康だった事が嬉しい。
実は会社都合で3月にリタイアしたのだが、年金がフルに支給されるまで、およそ五か月を要した。
その間は、無収入で生活するのだから、乏しい貯蓄を食いつぶす事になる。
それなのに、贅沢なヨーロッパ旅行に出かけるなど、危機意識の無さは現役当時のまま。
根拠もないのに、「何とかなるだろう」と思い込んでいた。
敢えて言えば、「今までも何とかなったから」が唯一の拠り所だったように思う。

外部からの規制が皆無になるので、リタイア時に個人的な目標を立てた。
一つは、仕事に匹敵する適度な運動を維持するために、毎日ウォーキングする事。
一時間のウォーキングから始めたが、三か月過ぎた頃から倍の二時間にして、今に至っている。
試行錯誤の結果、片道一時間、折り返し地点で給水が出来るルートが定番になった。
よほど体調の悪い日や、旅行の移動日、朝から映画に行く日以外は、ほとんど皆勤賞。
速足で歩くので、毎日12kmを歩き回っている計算になる。

続いて英会話。
急に仕事で必要になったので、ほぼ55歳の手習いで始めた英会話の勉強だが、歳の所為で頭の働きは、自分でも呆れるほど衰えていた。
単語も文章も、聞いたすぐ後には忘れてしまう事の繰り返しで、挫折感ばかりだが、それでも外国の情報を探る唯一の窓口と思い、半ば以上意地で続けた。
経費をかけないために、NHK英会話講座を六つ聞く事にしたが、これは一年間休みなく継続した。
もう一つタダだとの理由だけで、週一回のモルモン教会主催の英会話教室にも通ったが、タダとなると、妙チキリンな受講者も集まってくる。
宗教には寛容な性質なので、モルモンの神様に違和感はなかったが、一部の参加者とは仲良くなりたくなかったので、三か月ほどで辞めた。

自由なる時間が増えるので、ゴルフも熱中するものと思ったが、リタイア後に好調だった期間はわずかに一か月。
後は重度のシャンク病に罹り、最近は全くヤル気も興味を失っている。
変れば変るもので、今までゴルフに費やした資金を、実に勿体ない事をしたと反省する毎日になった。

代って時間を費やしているのが、オペラ鑑賞。
暇になった時間を夫婦で過ごすために、妻の趣味に合わせたのが切っ掛けだが、今やリヒャルト・ワーグナーを聞く、自称「ワグネリアン初心者」のレベルになった。
またメトロポリタン歌劇場(MET)の前支配人、ジョセフ・ヴォルピーの存在を知っただけでも、オペラの勉強をした甲斐があった。

盆栽の趣味も、続けている。
「盆栽は年寄りのイメージがあるけど、若い頃から始めないと間に合わない」と、30年以上前に始めたのが奏功している。
今や80鉢くらいの盆栽が、猫の額ほどの我が家の庭に、所狭しと並んでいる。

リタイア二年目に突入したからと言って、何かが変わる訳ではない。
一番の懸念材料の家計、資金繰りは全て妻の担当なので、こっちはひたすら健康で、一年目の繰り返しが出来ればよい。