昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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マイレージ

数年前のNHK英会話レッスンで、マイレージの問題点を取り上げていた。
「年末になると、マイレージ稼ぎの為の飛行機出張が増える」事を、企業が問題視していると指摘していた。
俄かには信じられなかったが、教材になるくらいだから実際にあったのだろう。

僕は10年チョット前から急に海外も担当区域になり、飛行機を利用する出張が増えたが、当初はマイレージにはまるで無関心だった。
スケジュールを管理していてくれた女性が言うままに、基本的に訪問国のナショナルエアラインを使用していたし、マイレージ登録すらしていなかった。
しかし航空会社を特定した方が予約を取りやすいことが分かり、以降は主としてJALを利用してきた。
これもまた、日本のナショナルエアラインはJALとの、単純な思い込みからだ。

以来10年間、JALの上得意顧客になったようで、マイレージ会員の最高峰、ダイアヤンドメンバーを続けて来た。
メンバー特典で、アップグレードカードも貰えるので、国内便のファーストクラスも利用できる。
またこのメンバーになると、空席待ちでも最優先で割り当てられるし、特別予約枠もあり、更にJALの使い勝手が上がる。
ラウンジも、さくらラウンジではなく、一ランク上のダイヤモンドラウンジが利用できる。
搭乗の度に、スッチー(最近ではCA・キャビンアテンダントと言う、カッコいいネーミングらしい)が、「○○様、本日は御利用頂きありがとうございます」」と挨拶に来る。
小市民の虚栄心を、上手くくすぐられ続けた。

しかし昨年3月にリタイアして以来、その飛行機利用が激減した。
仕事以外で飛行機を利用するのは、極めて限られている。
そう言えば、業務で飛行機を使っているのに、マイレージが個人に溜まるのはおかしいと指摘する声があり、企業側で、マイレージメンバーを個人用と業務用に分けるアイディアが検討された事があったらしいが、これは、航空会社から「個人用と業務用の識別管理が困難」との理由で拒否された由。

しかし、これはおかしい。
現代科学技術をもってすれば、個人用、業務用の区別などさほど難しいはずがない。
要は、航空会社にとって、余計な事をして顧客の搭乗回数が減ってしまっては元も子もないとの思惑が優先しているに違いない。
そんなこんなで現時点までは、出張族会社員たちは、業務で利用した飛行機搭乗で、せっせとマイレージを溜めこんでいる。
そこで年末になると、自分のグレード確保の為の出張回数が増え、航空会社がホクホクするとのウィンウィン関係が続いているようだ。

僕はこの4月から、そのダイヤモンドメンバーの資格を喪失した。
去年一年間のJAL利用が少ないので、これはやむを得ない、
新たにJALが送ってきたステージは、クリスタルメンバー。
これはJALンマイレージメンバーの中では最下位、第四番目の資格だ。
説明書に、「次のステップを目指す第一歩」とか、書いてあった。

我が妻ですら、その一つ上のサファイアメンバー。
僕は天上人から、一気に庶民レベルにまで格下げされてしまった事になる。
流石に寂しい思いもあり、3月末にダイヤモンドメンバーとして最後のJAL機搭乗の時には、「これがJALとの今生の別れカモ」と、思い切ってファーストクラスを利用した。

感傷的な思いで帰宅すると、何とJALからダイヤモンドメンバーカードが送られていた。
案内書には、「長年の御貢献」と書かれていたので、この間のJAL利用が評価されたのだろう。
但し、アップグレードカードなどはない。
あくまで個人の名誉回復か、あるいは極端な格下げ緩和策なのかもしれない。
いずれにしても、あと一年間はダイヤモンドメンバーとしての資格だけは残った。
しかし余り、嬉しい気持ちにはなれない。
堂々たる資格ではなく、お情けにすがったものなので、大手を振って利用するのは憚られる。
しかも来年は間違いなく、庶民レベルに成り下がる。
マァ、航空会社の思し召しに甘えて、この一年間の数少ない飛行機搭乗の時には、精一杯ラウンジを利用しよう。