昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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SEALDsデモ参加学生の就職問題

安全保障関連法案反対の デモ活動を行う学生団体「SEALDs(シールズ)」が、話題になっている。
自民党の武藤貴也衆院議員は、「だって戦争に行きたくないジャン」のノリで、利己主義、自分勝手な活動と批判した。
すると途端に武藤議員は、世論から大ブーイングを浴び、袋叩き状態になっている。
事ほど左様に、このSEALDsの活動については、武藤議員の様な見方は極めて少数派。
大半のマスコミや評論家は、「戦争への道を推し進める安倍政権に対する若者の危機意識」と好意的だ。
一時期は、「勉強そっちのけでデモをする学生は社会の敵!」みたいに言われていたのに、変れば変るものだ。
 
このSEALDsのデモに参加すると、就職に悪影響が出るとの噂が立ったこともある。
この時も、「そんな事をする企業は許せない」と、ヒステリックに騒ぐコメンテーターがいた。
そんな噂は、一体誰が発生源なのか、そもそもそんな事は本当に有ったのかも分からないのに、「正義の学生を苛める不届きな企業」みたいな単純明快な対立軸で、安保関連法案に反対する学生を応援していた。
 ここで僕は断言するが、SEALDsのデモに参加しても、それが就職に影響する事は絶対にありえない。

理由は二つ。
一つは、今の企業がリスクを冒してまで、学生の素行調査をする事はありえないからだ。
現在あらゆる企業にとって、プライアンス、所謂法令遵守こそ最優先して実践しなければならなくなってきている。
そして今では、企業が新入社員を採用する時に、その業務遂行能力以外を調査する事は全面的に御法度になっているのだ。
昔なら氏素性、学生運動歴、学生時代の女性関係など、こっそりと調べ上げて採用の基準にしていたかもしれないが、それは過去の遺物。
現在は、万が一にもそんな事をしてバレルと、企業にとっては鬼よりも怖いスキャンダルになってしまう。
 
二つ目は、企業の採用担当者にとっては、そんなリスクを冒してまで、デモ学生を調べる必要がないからだ。
通常、新入社員の採用に当たっては、学力試験と面接試験が実施される。
そしてこのSEALDsのデモに参加している学生諸君の論理性を聞く限り、あんな程度で面接試験を突破する事は不可能としか思えない。
 
彼らのホームページには、
私たちは、戦後70年でつくりあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します。そして、その基盤である日本国憲法のもつ価値を守りたいと考えています。この国の平和憲法の理念は、いまだ達成されていない未完のプロジェクトです。現在、危機に瀕している日本国憲法を守るために、私たちは立憲主義・生活保障・安全保障の3分野で、明確なヴィジョンを表明します。
 
日本の政治状況は悪化し続けています。2014年には特定秘密保護法集団的自衛権の行使容認などが強行され、憲法の理念が空洞化しつつあります。貧困や少子高齢化の問題も深刻で、新たな生活保障の枠組みが求められています。緊張を強める東アジアの安定化も大きな課題です。今年7月には集団的自衛権等の安保法整備がされ、来年の参議院選挙以降自民党改憲を現実のものとしようとしています。私たちは、この1年がこの国の行方を左右する非常に重要な期間であると認識しています。
 
いまこそ、若い世代こそが政治の問題を真剣に考え、現実的なヴィジョンを打ち出さなければなりません。私たちは、日本の自由民主主義の伝統を守るために、従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集を求めます。そして何より、この社会に生きるすべての人が、この問題提起を真剣に受け止め、思考し、行動することを願います。私たち一人ひとりの行動こそが、日本の自由と民主主義を守る盾となるはずです。
と書かれている。
 
これでは、何となく現状に強い危機感はあるようだが、しかし一体何をしたいのか、全く分からない。
リベラルとは何を示しているのか、彼らが盾となって守ろうとしている日本の自由と民主主義とは一体何なのか?
 
このような抽象的な言辞を弄して、何となく正しい事を喋っているように錯覚している学生諸君は、企業にとって有用で必要な人材ではない。
決して、デモに参加しているから駄目なのではない。
企業が求める人材は、金太郎飴の価値観とは限らない。
個性、ユニークさ、ヤル気などがあれば、SEALDsデモ参加学生にとっても門戸は開かれている。
しかしこんな訳の分からない上っ滑りの言葉を振りかざして、自己陶酔しているような人物は、仮に学力試験を突破しても、面接試験ですぐに化けの皮が剥がれてしまうものだ。