昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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悲しみの夜と幸せの朝

10日午後10時。
僕は、気分的には斎戒沐浴、敬虔な思いでテレビを前に祈っていた。
我らがアイドル、卓球の福原愛チャンが、個人としては日本女子初めてのメダル獲得を目指して、準決勝に進んでいたからだ。
午後9時から特番が始まり、今大会絶好調の愛チャン奮戦記を流し続ける。
サァ、試合開始。
何といきなり、愛チャンのスマッシュが決まり、前回オリンピック金メダルの中国選手に先制パンチの一点先取。
否応なく、愛チャンへの期待感が高まる。
しかしそれも、その後の中国選手の反撃を見て、一気にしぼむ。
試合時間は、30分も掛からなかっただろう。
敵の中国選手が、44点をとって4セット連取する間に、愛チャンがとったポイントはわずかに9。
将に鎧袖一触、木っ端みじん!
試合の後半は、愛チャンは泣いているようにも見えた。
オジサンも、思わずもらい泣き。
愛チャンの敗戦が決まった瞬間、テレビを消した。
悲しい夜だった。
 
翌朝午前4時頃。
目が覚めてテレビをつけると、女子柔道70キロ級の田知本遥が準決勝を突破。
続いて男子90キロ級で、ベーカー茉秋と言う、日本人離れした名前の若者が、同じく準決勝を勝ち進んだ。
この時は、残り時間1分を切ったところで、待ての合図があったのに技をかけて「指導」を受けた。
「ヤバ!」と思った次の瞬間に、「有効」から押え込みの「一本」。
勝戦は、田知本は押え込みの「一本」勝ち。
ベーカー茉秋は「有効」を取り、最後は「指導」を連続して受けても逃げ回る安全策。
「一本勝ちに拘る日本柔道」には程遠い勝ち方だったが、それでも金メダルは金メダル。
実に幸せな朝になった。
 
更には、体操男子個人総合の内村航平
最終種目の鉄棒までに、ウクライナのオレグ・ベルニャエフに0.9点の差をつけられた二位。
この時の内村の、鉄棒の演技は凄かった。
最後の最後に演技したベルニャエフもそつなくこなしたが、完璧だった内村に比べ、着地が動いた。
そして得点は、内村15.8、ベルニャエフ14,8で、奇跡の逆転優勝。
場内からは、ベルニャエフの点数が低過ぎるとのブーイングもあったが、これは筋違い。
ベルニャエフが低過ぎたのなら、内村の点数も低過ぎだ。
あの演技には、やはり一点以上の差があった。
何よりも結果が出た後に、当事者のベルニャエフ自身が、内村への尊敬の念を表している。
この苦労人ウクライナ人は、実に素晴らしいスポーツマンだ。
そして、途中でギックリ腰を患いながら、個人総合を連覇した内村航平の見事な演技をライブで観ることが出来た。
 
感動!感激!
スポーツの素晴らしさを実感した、何と幸せな朝だったことだろう!