昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

寒くなった朝

その昔、「永遠の処女」、「永遠のアイドル」と言われていたが、実は煙草プカプカの発展家だった吉永小百合
その彼女のデビュー曲が、「寒い朝」だった。
作詞:佐伯孝夫、作曲・編曲:吉田正のゴールデンコンビで、しかも当時人気絶頂だったマヒナスターズとのデュエット曲。
満を持したデビューだったが、実際にそれなりにヒットした。
 
しかし残念ながら、吉永小百合の本業は俳優。
ピアノを弾きこなすことも売りの一つだったが、実は歌手としては少々音痴気味。
案の定彼女は、テレビに出演するたびに音程を外しながら歌っていた。
 
その「寒い朝」の季節になった。
   ♪北風吹きぬく寒い朝も、
   ♪心ひとつで温かくなる。
しかし現実は、そんな調子で生きていくと風邪をひく。
今までショートパンツにポロシャツだった僕も、「寒い朝」を迎えて下着を一枚増やした。
 
それでも暑がりで汗っかきの僕は、湿気が多く暑い夏よりも、寒い冬の方が断然好きだ。
何よりも、夜の睡眠が深くなる。
夏はいくらクーラーを利かせても、深夜になると汗をかいた分、水分をとるために目が覚めてしまう。
しかし冬場は、体さえ温まればすぐに寝つくし、そのまま朝まで熟睡となる。
僕の場合、布団を首まで上げれば、肩が温まってすぐに眠ってしまう。
むしろ冬で唯一嫌なのは、朝方に布団の温かさから抜け出す時だ。
大袈裟に言えば、この瞬間は間違いなく、一日で一番の勇気が必要になる。
ただ、一旦起きてしまえば、後は体を動かしさえすれば、段々と温まってくる。
 
夏は裸になる以上の暑さ対策がないが、他人様の目があるので所かまわず薄着になれるわけではない。
しかし冬の寒さは、着衣を増やせば何とかなるし、他人の目が気になることもない。
実際に最近では、ヒートテック下着や暖房用のズボンが、手ごろな価格で入手できる。
そもそも日本の冬は、寒いが乾燥している。
風邪や喉の病気には気を遣わないといけないが、そこそこ健康なら、そんなに過ごし難い訳ではない。
中国の五行思想では、秋から冬にかけて、白秋、玄冬と呼ぶ。
如何にも暗く枯れていくイメージだが、玄人にも使われるように、「玄」には奥深いとか深遠な趣の意味もある。
 
先の「寒い朝」では
   ♪北風の中に聞こうよ春を
   ♪北風の中に呼ぼうよ春を
と、寒くて辛い冬も、次には温かい春がくるから希望を捨てないで生きていこうと、実に説教がましい歌詞が続くが、冬は冬だけで充分に味わいのある季節だ。
 
今年もまた、そんな大好きな冬を迎えることが出来た。
出来るなら来年もまたもう一度、明日をも知れない老人が大好きな冬を迎えられますように。