昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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骨董品の評価額

自分で言うのもなんだが、自分で言わないと、誰も言わない。

そこで敢て申し上げるが、僕は自称「目利き」、しかも「大変な目利き」だ。

 

そんな僕には、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」はお気に入りの番組だ。

放送開始直後から見ているので、もう20年以上のファンになる。

出品されたものをテレビ越しに凝視し、更には番組の流れまで加味して、「これはホンモノ」とか「これはニセモノ」とか、無責任に鑑定する。

こんないい加減な見立てでも、およそ五割程度の確率で、ホンモノ、ニセモノを当てている。

拠って本人は、「骨董品の価値に精通した玄人鑑定士ハダシ」を名乗っている次第だ。

 

この番組のお陰で、家にあるガラクタを注目するようになったのは、僕だけではないはずだ。

実は引っ越しの時に、それまで貯めていたLPレコードを売りに出した。

その中に、「あのねのね」のデビューLPがあった。

クラシックファンの妻は「こんなの価値はないし、何より恥ずかしい」と、持ち込むことすら嫌がったが、評価額は一番高かった。

これも、この番組のお陰だ。

 

この番組一番のハイライトは評価額オープンの時であり、ゲストがこの瞬間に見せる悲喜こもごもの表情が面白い。

自信満々のゲストが、ニセモノと断定された時の落胆ぶりや、逆に思っていた以上の評価額が出ると、小躍りせんばかりに大喜びする。

長年の番組ファンの僕は、ゲストの態度からも結果を想像できるまでに至っている。

 

しかし実は、この評価額にはからくりがある。

ゲストは、自分が持ち込んだ骨董品には、その時の評価された価格の価値があり、即ちもしも売りに出せばその価格で売れると思って喜んでいる。

しかしそんな評価をした鑑定士が、実際にその骨董品を購入する場合は、支払う金額は評価額にははるかに及ばない。

何故なら、そこで出された鑑定額は、あくまで「評価としてはこれだけの価値がある」と査定したものであり、実際の売買には業者が得るべき利益や、販売に関わる手数料や、売れない場合のリスクなどが考慮されるからだ。

また、いくら目利きの鑑定医と名乗っていても、その資格は国家検定で保障されているわけでもない。

見立て違いも、多々あるはずだ。

現に最近も「何でも鑑定団」で、世界中でも四つしかない国宝級と認定された骨董品が、実は2万円程度のお土産品だったとの疑惑が指摘され、その後番組でこの話題はタブーになってしまった。

 

そもそも骨董品の世界は、極めて胡散臭い。

そこに集まっている鑑定士なども、まともな人種と思わない方が無難だ。

僕自身、ネットオークションで千円で購入した代物は、世界的大発見の掘り出し物と確信している。

またやはり千円で落札したフィギュアも大変な値打ち物だし、初めて知った絵描きの作品も埋もれていた名画に違いない。

しかし、それを鑑定してもらおうなんて、考えてもいない。

鑑定士の評価なんて信用できないし、仮に価値がゼロの代物でも、その正体さえ分からなければ、いつもでも自己満足に浸ることが出来る。

素人は、骨董品で一儲けなど考えない方が良い。