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日大、進退窮まれり

日大フェニックス宮川選手の、関学QBへの暴行事件は、僕の予想を遥かに上回る事態を迎えている。
何と、加害者の当事者、宮川泰介選手が、記者会見を開いたのだ。
これには、正直驚いた。
しかし考えてみれば、宮川選手は(またその家族は)、そこまで追い込まれていた。
 
宮川選手の、記者会見の態度は総じて好評だ。
被害を与えた行為について、一切自分の責任から逃げずに、事実を淡々と語ったからだ。
しかしそのことは、彼の所属した日大フェニックスを、未曽有の窮地に追い込むことになった。
先ず彼は、自分の仕出かした反則行為は、監督、コーチからの指示だったと白状した。
これこそ、今回の事件の「肝」であり、逆に言えば、日大にとっては何が何でも隠し遂せないといけない点だ。
 
何故なら、アメリカンフットボールの試合で、日大フェニックスが意図的に相手選手に怪我をさせるような作戦をとったとなると、もはや誰からも相手にされないからだ。
日大フェニックスと言えば、誰もが認める日本の学生アメリカンフットボールのリーダーチームだ。
しかしその実態が、今回のような、勝利の為なら相手選手を傷つけることをも辞さないチームとなると、他のどのチームも、日大フェニックスと試合などやりたくない。
関係者を敵に回し、信頼を失い孤立した日大フェニックスが、今後存立できるはずがない。
だから日大としては、「潰せとは言ったけど、まさか本気にするとは思わなかった」と言い張るしかないのだ。
しかし宮川選手の告白だけでなく、それを裏付ける客観的な状況証拠の全てが、日大内田監督とコーチの密接な関連を証明している。
 
当初は、宮川選手側の曲解だったで事を済まそうと考えていた日大だが、記者会見で当事者に事の真相をばらされてしまったので、流石に組織的関与までは否定できない。
進退窮まった日大が続いて考え出したのは、「コーチが言った、監督は知らない」との路線変更だ。
要するに、何としても監督、即ち日大だけは守り通さないといけない、その為には宮川選手も井上奨コーチも、トカゲの尻尾切りで差し出す算段のようだ。
しかしこんな小手先の対応策をとっても、日大の信頼は回復されない。
何故ならば、誰もが今回の宮川選手の反則行為の背景には、日大フェニックス首脳陣の意思が働いていたし、秋の甲子園ボールを目指して、関学QBを物理的に潰す目的があったことを知ったからだ。
 
また弱冠二十歳にも拘らず、顔も名前も晒して記者会見をした宮川選手に対して、二週間も雲隠れをした挙句に、ピンクのネクタイで関学に謝罪した内田正人監督では、どちらが本当のことを言っているかも分かってしまった。
もはや、どんな言い訳をしても、却って墓穴を掘る。
 
日大は、常務理事である内田正人監督を守ることが日大を救うと考えているようだが、実は違う。
事ここに至ると、日大にとっての本当のトカゲの尻尾は、内田監督そのものだ。
内田監督とその取り巻きコーチを一掃しない限り、日大は学校としての信頼を取り戻すことはできない。
仮に内田監督とコーチ全員を切り捨てても、アメリカンフットボールの世界で日大フェニックスが信頼回復するには数年以上の時間が必要だろう。
 
それでも、それをしない限り、日大フェニックスだけでなく、日大そのものに経営危機が訪れることに気が付くべきだ。
日本一のマンモス大学、日大は、今存亡の危機状態にある。