14憶人もいる中国人と3憶人のアメリカ人を、十把一絡げで語るのは暴論だろう。
実際に僕が直接会ったことがあるアメリカ人と中国人は、精々、各々100人程度だ。
そんなN数で、分かったようなことを言うと、顰蹙を買う。
しかしマスコミの支持率調査や、選挙の出口調査だって、N数は大したものではない。
それでも結構、正確な統計になっているので、ここはわずかなデータながら、独断と偏見で、敢えて中国人とアメリカ人を比較する。
実は、この両国の国民は、似通っている部分が多い。
両方とも、自分たちこそが世界一と思い込んでいる。
また、世界一でないと気が済まない。
派手好きで、世界中の至る所で大声で騒いでいる。
観光地やレストランで「うるさいな」と思う連中ば、あらかたアメリカ人が中国人だ。
デリカシーは決定的に欠けていて、きめ細かい作業は大の苦手だ。
しかし、決定的に違う面もある。
多くのアメリカ人は明朗、善人、お節介だが、中国人の多くは胡散臭く油断できない。
アメリカは、「自由と民主主義を守る」目的で、世界中に出向き、戦争まで仕出かす。
独立戦争や南北戦争以外では、アメリカの戦争は基本的に他国を助けるモノばかりだ。
他国のために、アメリカの若者の命を犠牲にすることを辞さない。
無論過去には、そんなアメリカ人の習性が、多くのミスを引き起こしてきた。
古くはキューバ革命やベトナム戦争などはその典型だし、他にもイランやベネズエラ、アフガニスタンでも手痛い失敗を重ねてきた。
しかし、そのお人好しでお節介体質は、アメリカ人の国民性だ。
一方の中国には、言論の自由などない。
国内では中国共産党批判はタブーだし、国家の厳しい監視体制の中で生きている。
当然ながら、信用できるのは自分だけで、隣人や隣国は利用するものではあっても、決して信頼はしない。
他人への遠慮や慮りは、結果として自分の首を絞めてしまうし、そもそもそんなモノに価値も意味を見出していない。
一帯一路構想などは、今のところ軍事力ではアメリカに敵わないことから、搦め手から他国の経済を支配する作戦だ。
アメリカも、自分を守るのは自分だとの価値観が強く、自己防衛のために必要だと、銃規制法が成立しないが、中国のように、隙を見せれば陥れられるような殺伐感はない。
アメリカは歴史のない国で、且つ異民族の集合体なので、国旗や国歌への忠誠心で祖国の一体化をはかる。
しかし、5千年の歴史と自慢する中国だが、その歴史の全てが、壮烈な権力闘争の連続で、支配者はウソツキだとの経験を繰り返してきたので、誰も国家など信用もいない。
アメリカ人とは対照的で、まさしく個人主義、利己主義、金権主義の権化だ。
そんなアメリカと中国だが、アメリカ第一主義のトランプ大統領誕生以降、どちらが世界一かを巡って激しく争う事態を迎えている。
かってはアメリカの敵国だったソ連は、すっかり落剝してロシアに変わった。
プーチン大統領は豊富な石油資源を背景に、世界に向かってそれなりの存在感を発揮しているが、何せ国家アイデンティティがない国なので、邪魔にはなっても敵ではない。
しかし、中国は違う。
14憶人の中国人を武器に、ある時は「魅力溢れたマーケット」を装い海外企業を引き込み、ある時は平和協力を装い、発展途上国を実質的な植民地化している。
そしてあろ時は、国民の命を武器として使う人海千戦術を駆使して、海外への軍事進出準備にも余念がない。
そして似ていて非なるものが、アメリカ人と中国人だ。