武漢肺炎に罹患したアメリカ、トランプ大統領が、入院四日で退院した。
天下分け目の大統領選の真っただ中なので、先ずはおめでたいことだ。
対立候補のバイデンですら、この四日間はトランプ批判を控えていた。
これで遠慮なく、正々堂々と論戦を闘わすことができる。
健全なアメリカ大統領選のためには、トランプ大統領が元気を取り戻したことは全く良いこと尽くめだ。
ところがこのトランプ大統領の退院を報じた、NHKのニュースは報道姿勢はどうだ。
退院の前日5日、午後7時のニュースでは、当然ながらトップニュースだ。
しかしテロップは「5日に退院?容体発表の信頼性に疑問も」と流された。
最後の部分は、NHKニュースの中でも、わざわざ赤字フォントで強調されていた。
これだけで、NHKの思惑が透けて見える。
NHKが言いたいのは
・退院は、トランプ大統領の選挙対策で、元気さ、体調回復をアピールするため
・これは選挙戦不利と言われることへの焦り
・しかも、発表の内容を疑問視する声が出ている
・密閉された専用車で二人のシークレットサービスを感染リスクに晒した
・G・ワシントン大学医師は、トランプは常軌を逸していると非難した
と、トランプに否定的論調ばかりだ。
メディア(ABCテレビ)は、5日退院の可能性を発表した医師団に対しても、
・質問の回答を拒否
・政治の会見みたいに扱った
・率直に腹立たしい
・主治医は状況を良く見せようと必死で、実に腹立たしい
と、ホワイトハウス担当記者が、不信感丸出しで伝えた。
NHk現地特派員もまた、
・アメリカ社会からは、厳しい目が注がれている
・世論調査では65%の人が、トランプは感染リスクを軽視していたと回答
・「トランプのコロナ対応を支持しない」は57%と先週より3%増えた
・国民がトランプ支持・不支持に二分されている状況に変わりはない
・だが今回の一連の対応で、政権の失政が問われるのは間違いない
・トランプが本当に回復し、退院できるかに全米の目が注がれている
と、とにかく何が何でも、トランプ批判のオンパレードだ。
実は4日日曜日、午前9時からの日曜討論もまた、露骨な反トランプ報道だった。
タイトルは「トランプVSバイデン」で、「人種差別問題や社会の分断、日本や世界への影響は?混迷の大統領選を徹底分析します」のうたい文句だった。
討論メンバーは
・全駐米大使、佐々江賢一郎 早い回復を早く回復して正常な大統領選を
・慶応大学教授、渡辺靖 トランプはコロナ案件を避けたかったので感染は不利
・みずほ総合研、安井明彦(アメリカ経済専門)コロナ感染が行方と、国が纏まるか
・高崎経済大准教授、三牧聖子 バイデンが感染を攻撃していないのはいいこと
そして何故か、肩書は投票権があるアメリカ人だけの、芸人パックンで、彼は
・アメリカ人にはマスク着用しないトランプが今まで罹らなかった不思議だった
・マスク嫌いはトランプだけでなく、トランプ政権全体の傾向
・コロナを自分で防げなかった指導者が信じられるのか
と、予定通りに激しくトランプを非難した。
また討論途中の人種差別問題で三牧は、
・BLMは暴力的側面もあるが、それを含めて正当性が認識された
・しかしトランプはサヨクとレッテル張りして、この問題を陥れた
と言った。
パックンは、 トランプ大統領は白人至上主義者の側とまで言ったが、これは黒人差別問題が暴動にまでなった時の、反トランプ陣営が行った誹謗中傷だ。
トランプは「法と秩序」を訴え、「暴動は許されない」とは言ったが、白人至上主義などとは言っていない。
前の三者の人選は、マア分からないでもない。
だが、後の二人は、果たしてどんな基準で選ばれたのか?
パックンに至っては、熱烈な民主党員だとして知られている。
NHKが中立を装うのなら、ケント・ギルバードに極左思想の持ち主と言われるパックンのカウンターパートナーとして、共和党支持者も同席させるべきだ。
こんな番組を編成すること自体が、NHKが明らかに偏向している証拠だ。
確かにアメリカ大統領選の帰趨は、日本に大きな影響があるのは間違いないが、それでも所詮は、日本人には投票権のない、海の向こうの大統領選だ。
その選挙に、NHKは何故ここまで感情的な報道を繰り返すのか。
答えは、NHKの組織的思想とトランプ的価値観が、全く違っていることだ。
具体的にNHKから見れば、中国を敵視し、米中経済対立を辞さないトランプ大統領は、NHKにとっては間違った政策を実行している指導者なのだ。
これは期せずしてか、あるいは狙い通りなのか、中国の思惑と一致する。
即ちNHKは、間接的に中国共産党の応援団を買って出ているのだ。
そんなことを思うほど、NHKニュース報道はおかしい。
「常軌を逸している」のはNHKだ。