昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

調子に乗るなよ、アベノミックス

政治の世界では敵なしの絶好調、安倍晋三だが、看板政策のアベノミックスはどう考えても長続きする代物ではない。
アベノミックスでは、先ず物価が上がり、消費税が上がり、続いて賃金が上がる。
デフレこそ諸悪の根源だから、インフレ政策で景気浮揚を狙っている。
高名な経済学者がブレーンらしいが、インフレで成功した国はない。
発展途上国は否応なくインフレ政策になるが、その全てが物価上昇に歯止めが掛らず、格差が更に拡大する悪循環に陥っている。
だからアベノミックスで、それなりに景気の良さを感じることが出来るのは、極めて短期間に限定される運命だ。

アベノミックスで調子に乗っているのは、安倍晋三総理大臣だけではない。
腹心の甘利明経済再生担当相もまた、とんでもない発言をした。
「既に復興特別法人税で減税しているのだから、利益を上げても賃上げをしないのであれば経済産業省が何らかの対応をする」とは、ヤクザ顔負けの恐喝だ。
共産主義国家でもあるまいに、政府が民間企業の賃上げまで関与し、尚且つ強制するなんて、どう見てもやり過ぎだろう。

企業には、体系だった賃金システムがあり、例え一時的に利益を上げても、それを賃上げに回すか、はたまた配当を実行するか、内部留保にするかの判断した上で、賃上げ幅を決める。
またアベノミックスの狙いである円安政策は、輸出関連企業には膨大な利益を齎したが、食品業界や素材産業は主原料の値上りで、大幅な収益悪化を招いている。
僕が働いていた業界は、円安の恩恵を受けた企業は皆無で、昨年からは恥も外聞もないような収益改善策を実施、スズメの涙ほどの我々の諸経費も削減の対象だった。
濡れ手に粟の大儲けをした産業はともかく、普通の体力しかない企業には、賃上げなど夢のまた夢だ。

「儲かったら賃上げを!」とは、昔流行った戦闘的組合のセリフだ。
その後は、アメリカ型資本主義が跋扈し、「株式会社の最優先事項は配当を実施する事」と変化していった。
日本型資本主義は、とにかく内部留保を厚くして、不景気に備えると言うものだった。
アベノミックスは、この企業の内部留保の取り崩しをターゲットにして、消費に回そうとしている。
しかし内部留を取り崩して賃上げをして場合、手持ち資金が少なくなった後に収益が悪化した時に、アベノミックスはその企業の面倒を見てくれるのか?

向かうところ敵なしの安倍晋三だが、どんなに長期政権化に成功しても、持って五年。
一方の企業は、毎年入社して切る社員の将来への責任もあり、絶対に持続しなければならない。
であれば、短期的人気取りの政策にお付き合いするわけにはいかないのだ。