昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

寒い朝

♪北風吹き抜く、寒い朝も、心ひとつで暖かくなる♪♪

と、吉永小百合が歌っていたが、心の持ち方ぐらいでは暖かくはならない。
今朝は、そんな寒い朝だった。

昨日は雨が朝から降り続いていたが、夕方には一転して青空が見えた。
その所為で、今朝の冷え込みが厳しく、辺り一面が氷の世界だった。
アスファルト上の雨の残りが乾く間もなく冷え込んだため、珍しく道路も凍てついている。
そんな所をウォーキングすると、滑って危うく転びそうになる。
一歩一歩、用心しながら二時間歩いたので、結構疲れた。

そこで思い出したのが、北海道出身の連中が実にうまく雪道を歩く事だ。
我々都会人(僕の場合はインスタント「都会人」だが)は、雪が降ると、途端に動きが鈍る。
実際に街中でも。スッテンコロリン(これは死語かな?)や、オットット状態の歩行者が続出する。
ところが北海道出身者は、そんな雪道でも平気で速足で歩く。
果ては、駆け足まで仕出かす輩まで登場する。
こんな能力は、人間としての価値にはほとんど影響がないはずだが、多くの人間がモタモタ、ヨタヨタしている中を颯爽と歩かれると、それだけで思わず尊敬の念を持ってしまう。

彼らの歩行振りを子細に観察すると、足を高く上げて、雪道に垂直に落としながら歩いている。
一方の僕を含めての「都会人」は、エネルギー消費をケチっているのか、ほとんどが相撲取り同様のすり足気味に歩く。
雪道との接触面積の差が、そのまま滑りの差となっている。
今朝のウォーキングでは、特に後ろ足の蹴りの瞬間に、ツルリと滑る事が多かった。
身の危険を感じる事が度々で結構怖い思いをしたが、そこで思い出したのが北海道族の歩き方だ。
真似てみると、雪道、氷道素人の僕でも、安全に歩く事が出来た。

長年の習性は、知らず知らずに生きる術として蓄積される。
仕事ではこれがノウハウとなり、競合他社を出し抜く秘密兵器として重要視される。
しかし普段の生活では、こんな事を知らずに済む方が平安だ。
実は、こんなリスクの高い日に、わざわざウォーキングに出かける必要はない。
しかしいつも惰眠を貪っている人間には、まるで世のため人の為に役立たないこんな時こそ、わずかに残った智恵の発揮どころで、妙に気合が高まってくる。

歩き終えた時に達成感すら感じるとは、我ながら何と無駄な時間を過ごしているのだろう。