昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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行きたくても行けない、見たくても見られない

ヒマラヤの山頂とか、南極大陸とか、ビクトリア滝とか、現地に辿りつくだけでも大変なところは、そこがどんなに風光明媚でも御免被る。
しかし、一生に一度でもいいから、行ってみたい。    そんな所がある。
一生に一度でもいいから、見てみたい。    そんなモノがある。
その両方ともで、どうしても行って、そして見てみたい、そんな魅力的な場所とモノがある。
 
そしてその殆ど全部が、叶わない夢で終わる。
 
例えば、アマチュアのゴルフ好きには、オーガスナショナルズでのゴルフプレイは垂涎の的だ。
マスターズのテレビ中継を見ると、「あんな美しいコーズで、一度は」と思ってしまう。
ところがそこでプレイするためには、このクラブのメンバー同伴がマストらしい。
日本でもかって、そんな小うるさいゴルフクラブの存在を聞いたことがあったが、不景気の今や有名無実のうたい文句になっているに違いない。
しかしオーガスナショナルズは、アメリカでも極めて保守的なジョージア州にある所為か、未だに厳しいローカルルールが適用されているらしい。
そんなハイソサイアティの知り合いなどいる由もない庶民が、ここでプレイするのは絶望的だ。
次善の策で、プレイの方は諦めて、「マスターズトーナメントの現地観戦」までレベルダウンしたらどうだろう。
ところがこちらのチケットもまた、とうの昔に買い占められていて、実態は入手不可。
結局は松山英樹張りにゴルフが上手くなって、マスターズ委員会から招待されるのが一番の早道だか、そこまで腕を上げるには少々歳を食ってしまった。
「所詮自分は、オーガスナショナルズには無縁の人間だった」と、諦めるしかない。
 
2月初旬に開催されるアメリカンフットボールの最高峰、スーパーボール観戦も、どうすればチケットを購入できるのかすら分からない、夢のまた夢だ。
NFLの場合、スーパーボールどころか、前年9月から始まる公式戦チケット入手すら難しい。
こちらはテレビ観戦でお茶を濁すしかないが、日本では放映される試合数が少ないのが悩みだ。
尤も、ライブの試合を観戦するのが難しい人気スポーツは、NFLだけでない。
アメリカではNBA(バスケットボール)も人気が高く、おいそれとは観戦チャンスがない。
たまたま取引先からヒューストン・ロケッツの試合に招待された会社の先輩は、しばらくは興奮状態が続き、その時の試合内容を何度も聞かされる羽目になってしまった。
 
ウィーンフィルオーケストラ・ニューイヤーコンサートは、抽選でチケットが当たる仕組みらしいが、周囲を見回しても当たった人が皆無だ。
10年以上毎年応募しても、全くカスリもしない人ばかりだ。
聞くところでは、世界中から応募があり、当選確率は天文学的に低い。
正月には盛大に開催されているし、毎年満員盛況になっているが、この観客が全員、抽選で当選した連中とは思えないので、何か裏技があるのかもしれない。
 
もっと身近なものでは、大相撲の千秋楽観戦もなかなかハードルが高い。
升席を年間予約している大相撲ファンは結構いるので、平日なら金さえ出せば何とかなる。
しかし「君が代」を歌って、優勝力士が賜杯を受取る雄姿に拍手することが出来る千秋楽は、大相撲ファンなら誰もが憧れる特別な日なので、一般大衆には簡単に回ってこない。
 
歳をとると、時間だけはたっぷりとあるが.、金と体力がなくなってしまう。
行きたくてもいけないところや、見たくても見ることが出来ないモノは、益々高嶺の花となる。
何とか金も体力も使わなくて、手っ取り早く楽しい想いが出来ないものかと、悩み多い日が続いている。