昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ガースー、グッジョ!

トランプ政権以降の世界は、米中対立時代に突入した。


その中国は、共産主義一党独裁国家で、国家を挙げて世界進出、言い換えれば世界制覇を狙っている。

アメリカにとって今の中国は、同盟国日本からの協力の確約がないと、安心して対抗できないほど、強大な敵国となっているのだ
中国が自ら世界にばらまいた武漢ウィルスでは、それを逆手に防疫用のマスク外交だけでなく、今ではワクチンを戦略物資として、発展途上国の取り込みに余念がない。

アメリカは、その武漢ウィルスの世界最大の被災国だし、イギリス、EUもまた大きなダメージを被っている。

火付けと説教を同時に仕出かす強盗みたいな、中国のやり方を許すはずはない。

 

そんな中で、1月20日に就任したアメリカ・バイデン大統領が初めて直接会談した外国首脳が、昨年9月就任の我が日本国総理大臣・菅義偉だ。
何とも名誉な話だが、一方ではアメリカの対中国戦略が一瞬たりとも予断を許さない緊張関係になっていることの証明でもある。
日米会談が決まるとすぐに中国は、王毅外報を世界各国に派遣して対抗した。
王毅は日米首脳会談を前に、謝々茂木に「台湾を議題にするな」と圧力をかけたが、無駄に終わった。

アメリカの裏返しで中国もまた、日米首脳会談に行方に神経質になるほど、二大強国の直接対決時代なので、日和見は許されない。

二股能天気外交でも何とかなると思っているのは、韓国くらいのモノだろう。


韓国は、北朝鮮核武装計画の最大の被害国のはずだが、何をトチ狂ったのか南北融和を最優先し、経済交流を続けるために中国にすりよる。
しかし幸いにして、軍事上の韓国の重要性は薄らいでいる。
中国の狙いは南洋進出で、その場合は台湾、尖閣列島、沖縄が、攻防の最前線になる。
だから台湾の存在が、過去にないほど重要になっているのだ。
今回の日米共同宣言で、半世紀以上の52年ぶりに「台湾海峡(Taiwan Strait)」が明記されたのも歴史の必然だ。
また尖閣列島が、日米安保条約の適用範囲も確認された。
香港、ウィグルの人権問題も、共同声明に織り込まれた。

菅首相にとって初めてのアメリカ大統領との首脳会議の成果は、外交面では満点だ。


だから早速、中国は猛反発する。
中国の理屈では、台湾は中国の領土なので「内政干渉するな」となるが、一方の台湾はこの共同声明を「心から歓迎し感謝する」と手放しで喜んだ。
自由と民主主義国連合と専制国家との争いは、引き返しが利かないレベルに至った。

 

ただ一点、余計な合意事項もある。
それは菅、バイデンの両者がともに拘る、環境問題についてだ。
2050年までにカーボンニュートラル社会を目指し、2030年の温室効果ガス排出削減目標を引き上げると合意した。
世界最大の二酸化炭素排出国、中国を念頭にした嫌がらせの意味合いもあるが、しかし日本の産業界を縛る結果にもなる。
小泉進次郎ほどのバカではないが、環境問題になると、菅もダッチロールを繰り返す。

 

日米首脳会談は大成功だろうが、それにしても「ヨシ」と「ジョー」のファーストネーム交換は様にならない。
世界中どこでも「ジョー」が当たり前のバイデンはともかく、我らが菅首相を「ヨシ」と呼ぶと、田舎者が売りだった吉幾三が浮かんでしまう。
そうでなくても、おノボリさんイメージ強く、風采の点ではパッとしない菅首相だ。
事務方は「是非ともガースーと呼びかけて」くらいの事前打合せはできなかったのか。
アメリカ人には「ヨシ」も「ガ-スー」も、両方とも何の意味もない単語だし、彼らにすれば、むしろ「ガースー」の方が言い易いだろう。


菅はテレビインタビューで「ガースーです」と自己紹介して、視聴者に媚びていると評判を落とした。
そのリカバリーで、バイデンに「ヘイ、ガースー」と呼びかけられたら、日本では拍手喝さいを浴びただろう。

そんなくだらないことを言えるのも、今回の日米首脳会談の実りが大きかったからだ。

 

中国の野心を防ぐためには。台湾と尖閣防衛が一丁目一番地の重要政策になる。
特に目玉の台湾海峡の防衛には、日米台三国の緊密な連携が必要だ。

その確約を取り付けたのは、ガースー、グッジョ!

尤も、尖閣防衛に関しては、アメリカはあくまで添え物だ。
日本単独での国土防衛を目指さなければ、いつまでも中国の脅威をぬぐいされない。

そもそもアメリカ大統領が変わる度に、尖閣日米安保の適用範囲を確認しなければならないことを、国防の観点からは大恥と思わなければならないはずだ。
今回の合意は、その準備のための時間を稼ぐことができただけと思うべきだ。