アメリカ大統領選の不正疑惑は、日本の右派論客の内ゲバ騒ぎにまで発展している。
何せ、情報源がアメリカにしかない。
そのアメリカ発の最新ニュースが、どれほど信頼できるのか分からない。
そんな中で、次の大統領はトランプかバイデンかを論じるのだから、何が正しく何がフェイクなのか、日本に居たって分かりっこないのだ。
それでも、一億総評論家時代の日本では、誰もが何かを喋りたくなる。
ましてや、自称知識人、自称評論家の御仁たちは「わが意見こそ正論」とばかりに、自分の勝手な想いを発信している。
そんな中に、右派論客を代表する百田尚樹と上念司がいる。
しかしこの二人の意見は、対照的だ。
上念は、
・バイデンの不正疑惑については。情報が真偽入り乱れている
・証拠があるものだけを取り上げるべき
・右派にも、冷静な見方を罵倒する輩がいる
・自分と違う意見を思い込みだけで罵倒するべきではない
一方の百田の主張は
・ミシガン、ウィスコンシンの票の動きは不自然過ぎる
・他にも、不正を告発する様々な証言が出ている
・自分はバイデンが不正をしたと確信している
ネット界では、上念に対しては
・どの口が、こんな尤もらしい意見を言う
・反対意見を罵倒してきたのは上念
と批判している。
百田に対しては、もっと辛辣で、
・勝手な思い込みで不正と決めつけるのは、野党のモリカケ桜と同じ
・韓国慰安婦も、根拠もなく日本の不正を論っている
これに対して百田は
・それとは次元が違う
・自分は司法判断が出れば従う
・それまでは、不正があったと主張するのは自由
・右派論客の中にも自分を見下すような主張がある
と反論している。
しかし客観的に見て、且つ正直に言って、百田の論理はおかしい。
有料の百田チャンネルの選挙速報を見ていたが、百田の発言には、状況を分析するでもなく、また当然ながら取材した形跡もない。
それなのに、ひたすら「この選挙区はトランプさんの勝ちとみる」と断定していた。
それが翌日になって、悉くバイデンに逆転されたので、それを不正選挙のせいと言い募っているだけだ。
途中経過でリードしているから最終的にも勝つとか、根拠も示さず不正があったと言うのは、選挙速報をやる人間が話す内容ではない。
この点は、上念の「不正の証拠を明らかにするべき」との主張が正しい。
また、野党のモリカケ桜追及とは、次元が違うとの言い訳も苦しい。
モリカケ桜では、野党は根拠も証拠もないのに、怪しいとの思い込みだけで、後の立証責任は政府にあると安倍政権を攻撃し続けた。
今回の百田も野党の手法と全く同じで、バイデンに不正があったはずと力説している。
全くの言い掛かりだが、自分は正しく、野党は間違っていると言っても説得力はない。
こんな屁理屈を捏ねるようでは、今後百田は野党を批判できなくなる。
今回は、一見すると上念の方が冷静沈着と思わせる。
しかしその上念は、「Go toキャンペーンは富裕層だけを利するので中止するべき」などと発言している。
いやしくも上念は、一応は経済評論家を自称しているが、立憲民主党の枝野幸男や蓮舫と同等の発言をするようでは、底が割れてしまう。
右派論客の代表と言われる百田尚樹も上念司も、一皮めくればこの程度だ。
偉そうな、且つ自信満々の喋り方に騙されてはいけない。
ネットから自分で情報を取り、自分で考え、自分で裏を取る。
そうしないと、大量の情報に流されてしまう。