人生
僕の父は決して体格に恵まれた方ではないが、足腰は強く、相撲では負けたことがないのが自慢だった。 しかしその父も、生前三つの持病に悩まされた。 喘息、痔、水虫で、本人にとっては深刻だったようだ。 特に喘息では、一度危篤に陥ったことがあるくらいで…
身近な人が、親の介護で悩んでいる。 一人は僕の姪で、昨年8月末に母親、即ち僕の姉が突然、脳腫瘍で倒れた。 施設に入れるかで悩んだ挙句、姪が選んだのは自宅介護。 その効果か、最悪は余命三か月、持って半年かもしれないと告げられた医者の観立てを大き…
僕は、敬虔な神道イストを自称している。 しかし、キリスト教徒でもないのに、ハロウィーンも、クリスマスも、バレンタインデイも、全部OK。 結婚式は神前でやり、家族の葬儀は仏教形式。 甥や姪の結婚式は、教会だった。 しかし、「苦しい時の神頼み」精…
関東から東北へ、大雨降水地域が移動。 いずれでも大変な被害が出た。 特に常総市で鬼怒川の堤防が決壊、泥水が市街地へ流れ込むシーンには驚いた。 自然の猛威を前にすると、か弱い人間は立ちすくむしかない。 それにしても、救援に向かった自衛隊の何とた…
僕は、これでも優等生だった。 「だった」と言うのだから、過去形だ。 一時的に、かなり目立って成績が良かったので、「末は博士か大臣か」と、大いに将来を嘱望されたものだ。 しかし今やあらゆる場面でお役御免、まるで目立たない市井の一老人。 冴えない…
人を見る目とは、眼力のことだ。 多くの人は、自分に「人を見る目がある」と思っている。 そして多くの場合、これは外れだ。 僕の先輩は、人品骨柄卑しからず。 組織のトップリーダーとして申し分のない人物で、誰からも慕われ、尊敬されていた。 ただ彼の唯…
リタイアして一年半が過ぎた。 それまでは仕事に拘束された毎日だったが、リタイアを機に「毎日がお休み」状態で、暇になった。 ボケ防止のために自分に課したノルマが、毎日のウォーキングと、英会話の勉強だった。 英語に関しては、10年前までは全くお呼…
日本は、韓国、中国の両国から、繰り返し謝罪を要求される。 日本人は謝罪する事に比較的に抵抗感が少ない民族だが、この両国が余りにしつこいので、さすがに腹に据えかねてきた。 最近の日本人の嫌韓国、嫌中国意識の高まりは、こんな国民性の違いも一因だ…
minakoさんのブログ「キッチンの片隅から」は、女性特有の柔らかい口語調で書かれているが、内容は鋭く世相を切り結んでいる。 今回の安保関連法案に「戦争は嫌だ」と情緒的、観念的に反対する、自称「ハハオヤ」や自称「リベラル」連中に比べ、冷静沈着な意…
テニスの全英オープン、日本期待の錦織圭選手は、大苦戦の結果、やっとの事で初戦を突破した。 前回のゲリー・ウェバー・オープンを途中棄権した原因の、左ふくらはぎの怪我については、戦前には「順調に回復している」と回復ぶりをアピールしていたし、初戦…
妻が結石を発症して、一か月が経過した。 この間、緊急で病院に行ったのが三回、二度の手術と入院に見舞われた。 昨日やっと退院し、九割型治療も終わったので安心したが、それまでは比較的平穏無事に来ていたので、それなりに緊張した一か月だった。 全身麻…
家族に病人がいると、家から笑いとゆとりが激減する。 何よりも、病気の本人が一番辛い思いをしている。 そんな人間は、ちっとも楽しくいないので、基本的にしかめっ面が多くなる。 すると、周りも気を使う。 結果として、家全体がドンヨリとしたムードにな…
午後1時13分、電話がかかってきた。 『オリックス?二部、加藤と申します。こちらは○○さんのお宅ですか?』 若い男が、丁寧に問いかけてきた。 以下詳細(『』が自称、オリックスの加藤。「」は当方) 「そうです。○○です」 『実は永谷園が、お宅の町に営…
義母がこの4月に、99歳の誕生日を迎えた。 いわゆる白寿であり、大変お目出度い。 無論義母なので、後に身内になった僕にとっては、血のつながりはない。 DNAもまるで違うし、遺伝的な特質も受け継いではいない。 だから彼女がどんなに長生きでも、僕…
五年ぶりに、免許更新に行った。 無事故無逮捕歴、早数十年。 世の中の七不思議とも考えられるが、不肖私メ、何故かいつもゴールド免許なのだ。 午前八時半の受け付け開始なので、ジャストタイムで到着したら、既に長蛇の列が出来ていた。 手続きは決して、…
日曜日午前9時過ぎに、一緒にテレビを見ていた妻が、突然「腰が痛いから休む」と言い出した。 僕はその日、知人が水彩画の個展の最終日なので、陣中見舞いに行く積りで準備していた。 そろそろ出発の10時頃、二階の妻から電話がかかってきた。 「痛くてた…
数年前のNHK英会話レッスンで、マイレージの問題点を取り上げていた。 「年末になると、マイレージ稼ぎの為の飛行機出張が増える」事を、企業が問題視していると指摘していた。 俄かには信じられなかったが、教材になるくらいだから実際にあったのだろう…
昨日から、一週間の予定で妻は里帰り。 入院中の義母を見舞うためだ。 義母はあと一か月で99歳、白寿になる。 耳が聞こえないとか、目が見えないとか、体調に関しては不満が絶えないが、頭の方は明晰そのもの。 一般的には年齢と共にボケるし、僕なんかは…
リタイア生活、二年目に突入した。 40年以上も会社員生活をしてきた人間で、ノルマと〆切に追われ続けていた。 ちょうど一年前に、その両方ともなくなったので、精神的にも肉体的にも大きな変化を味わう事になった。 遡って一年前の記憶を辿れば、正直なと…
静かな生活を送りたいと思うと、町中に騒音が溢れている事に気が付く。 最近、自宅でオペラDVDを視聴する機会が多い。 オペラ歌手は、あらゆる楽器を上回るほどの精密機械で、これほど微妙で精緻な音を奏でるモノは世の中に存在しない。 彼らが歌い上げる…
毎日のウォーキングでは、朝から抜けるような青空の下を歩くのは、実に気持ちがいい。 ましてや風がないとなると、尚の事で、心まで浮き浮きしてくる。 車の通りが少ない道を選んで歩くので、田舎の農道がメインストリートになる。 田舎と都会の違いは、当た…
仕事の現役時代とリタイアした後、一番の違いは休日の過ごし方だ。 当たり前だが、現役時代の平日は仕事、また仕事の繰り返し。 朝5時半に起きて、6時半に家を出る。 7時半に会社到着後、仕事に勤しんで、何もなければ夕方7時過ぎに帰宅。 休日も接待や…
その昔は絶世の美女だったとか、あるいは誰もが認める可愛かった女性が、老後に落剝の身を晒すと、見てはいけないモノを見てしまった罪悪感に苛まされる。 いしだあゆみ、倍賞千恵子の二人は、それなりに功成り名を遂げた人たちなのに、ここまで容姿が朽ち果…
昔は記憶力に自信があった。 「記憶だけは」の表現が、より正しい。 学校の授業だけでなく、人が話したこと、人に話したことも、ほぼ正確に覚えていた。 記憶力のお陰で、ソコソコの成績が残せたと思っている。 また記憶力は、仕事でもミスを少なくするし、…
織田信長は、「人生五十年」と舞い謡い、49歳で死んだ。 相撲取りの多くは還暦を迎える事なく逝去するので、60歳を超えた横綱は、赤いチャンチャンコを着て長寿を祝う。 しかし、晴れてそんな名誉に浴する力士の数は、驚くほど少ない。 楢山節考では70…
ファーストリテイリングの柳井正社長が、記者会見で中国工場の職場環境問題を釈明した。 NPOに指摘された労働環境の悪さは例外で、他は問題ないと主張している。 しかし、ユニクロがブラック企業だとの、批判は絶えない。 特に昨年12月の最高裁判所判決…
高橋ジョージと三船美佳が破局した。 年の差24歳の結婚で話題だったが、人前では仲睦まじさを演出していた。 このような結果が出た上で過去のシーンを見ると、二人のハシャギぶりが何とも痛々しい。 三船美佳が結婚したのは16歳。 普通なら高校生の洟垂…
昨年は一大変化のあった一年だった。 何せ42年ぶりに、仕事から解放されたのだ。 無理して朝起きる必要もない 満員電車に揺られる事もない。 嫌な仕事に取り組む必要もなければ、嫌な職場環境とも、嫌な顧客とも会わなくて済む。 目出度し目出度しのはずだ…
♪北風吹き抜く、寒い朝も、心ひとつで暖かくなる♪♪ と、吉永小百合が歌っていたが、心の持ち方ぐらいでは暖かくはならない。 今朝は、そんな寒い朝だった。 昨日は雨が朝から降り続いていたが、夕方には一転して青空が見えた。 その所為で、今朝の冷え込みが…
三人の日本人物理学者が、ノーベル賞を受賞した。 青色LED技術と言う、確たる実績を評価されての事なので、大変お目出度い。 日本人として、自分の事のように喜んでいる。 ついでながら、受賞者の中村修二と赤崎勇の両氏は、実は犬猿の仲だと聞いたので、…